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インボイス制度(消費税):国税庁のQ&Aが改訂されました(2023年4月)

久しぶりに消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について。

 

1. Q&Aの改訂

2023年4月14日に国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」が改訂されました。

まだあんまり目を通せていないので、ごくごく簡単に書いておきます(徐々に情報を追加していく予定です)。

2. 新たに追加されたQ

今回の改訂で新たに追加されたQは以下の15コです。

(登録番号の効率的な確認方法)
問22 当社は取引先が多いため、登録番号の有効性の確認を効率的に実施したいと考えています。どのような方法がありますか。

(少額な対価返還等に係る適格返還請求書の交付義務免除に係る1万円未満の判定単位)
問29 売上げに係る対価の返還等に係る税込金額が1万円未満である場合には、当該対価返還等に関し適格返還請求書を交付する義務が免除されるとのことですが、1万円未満の対価返還等とは、どのような単位となりますか。

(売手が負担する振込手数料相当額)
問30 売手からの代金請求について、取引当事者の合意の下で買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うことで売手が負担する商慣行があります。この売手が負担する振込手数料相当額について、適格請求書等保存方式の開始後、売手が代金請求の際に既に適格請求書を交付している場合に、必要となる対応を教えてください。

(売手が負担する振込手数料相当額に係る経理処理の変更)
問31 売手からの代金請求について、取引当事者の合意の下で買手が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うことで売手が当該振込手数料相当額を負担する場合について、当社は、当該負担額を支払手数料として経理処理していましたが、適格請求書等保存方式の開始後においては、売上げに係る対価の返還等として経理処理することを考えています。この場合、どのような対応が必要となりますか。

(令和5年10月1日前後の取引に係る適用関係)
問38 適格請求書等保存方式の下では、仕入税額控除の適用を受けるためには、課税仕入れ等に係る帳簿及び適格請求書等の保存が原則として必要になるとのことですが、令和5年10月1日前後の取引において、売手における売上げの計上時期と買手における仕入れの計上時期が異なる場合、適格請求書等の保存の要否についてどのように考えればよいでしょうか。

(対価を前受けした場合の適格請求書の交付時期)
問39 当社はシステム保守を業としています。この点、定期保守については、月額22,000円(税込み)であるところ、1年間分を保守開始前に相手方から支払ってもらうこととしており、当該代金請求時において請求書を交付しています。
適格請求書等保存方式の下では、この請求書を適格請求書とする予定ですが、問題ありませんか。

(資産の譲渡等の時期の特例と適格請求書の交付義務)
問40 工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例(工事進行基準)など、資産の譲渡等の時期の特例を適用した場合、適格請求書の交付義務はどのようになるでしょうか。

(軽減対象資産の譲渡等である旨の記載方法)
問71 適格請求書の記載事項である「軽減対象資産の譲渡等である旨」の記載方法について教えてください。

(所有権移転外ファイナンス・リース取引で賃借人が賃貸借処理した場合の適格請求書の保存)
問97 所有権移転外ファイナンス・リース取引については、リース資産の譲渡時に適格請求書の交付義務が生じるとのことですが、当該リース取引につき賃借人が賃貸借処理し、そのリース料について支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとして処理(分割控除)している場合、リース譲渡時に交付を受ける適格請求書の保存により仕入税額控除の適用を受けることができますか。

(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)
問108 一定規模以下の事業者は、1万円未満の課税仕入れについて、一定期間、適格請求書の保存を要しないとのことですが、その内容について教えてください。

(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置における1万円未満の判定単位)
問109 一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)については、1万円未満の課税仕入れが対象とのことですが、どのような単位となりますか。

(小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置〈2割特例〉)
問111 適格請求書等保存方式の開始後一定期間は、適格請求書発行事業者の登録により課税事業者となった免税事業者については、消費税の申告について簡易に計算できる経過措置(2割特例)があるそうですが、その内容について教えてください。

(2割特例の適用ができない課税期間①)
問112 小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)は、基準期間の課税売上高が1千万円を超える課税期間などについては適用できないとのことですが、具体的に教えてください。

(2割特例の適用ができない課税期間②)
問113 消費税課税事業者選択届出書の提出により納税義務の免除が制限されている場合であっても小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けられない場合があるとのことですが教えてください。

(2割特例を適用した課税期間後の簡易課税制度の選択)
問114 小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けていましたが、翌課税期間から2割特例が適用できなくなるため、簡易課税制度の適用を受けたいのですが、いつまでに消費税簡易課税制度選択届出書を提出すればよいですか。

令和5年度税制改正に関するものや既知のものが多いですが、またちょっとずつ新しい記事を書いていこうと思います。

【2023年4月追記】
ちょっとずつ書いています(以下の記事です)。

インボイス制度:賃貸借処理の所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る適格請求書の保存
インボイス制度:適格返還請求書の交付義務免除に係る「1万円未満」の判定単位
インボイス制度:売手が負担する振込手数料相当額の取扱い(令和5年度税制改正後)
インボイス制度:売手負担の振込手数料相当額に係る経理処理の変更
インボイス制度:売手の売上計上時期と買手の仕入計上時期が異なる場合の取扱い
インボイス制度:建設仮勘定・短期前払費用などの令和5年10月1日前後の取引
インボイス制度:対価を前受けした場合の適格請求書の交付時期
インボイス制度:取引先の登録番号の効率的な確認方法

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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