タクシーの表示灯でインボイス交付可否がわかる近未来を思う
今日だけ消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)のことを書きます。
現在、慣れない仕事で疲弊しているので、まともな内容ではなく、個人タクシーにおけるインボイス制度対応について。
Table of Contents
1. タクシー業界のインボイス制度対応
税務通信の3726号に興味深い記事がありました。
タクシー業界のインボイス制度への対応方針の解説記事です。
内容はシンプルで、課税事業者が多い法人タクシーは適格請求書発行事業者の登録に支障はないけど、免税事業者が多い個人タクシーはインボイス制度への対応が問題になる、みたいな話です。
実際には、もっとちゃんとした内容が書いてあるので、記事自体をご覧頂ければと思います。
2. 個人的に気になったこと
その中で個人的に気になったのは、以下の2点です。
1つ目は、乗客側で仕入税額控除を行いたい場合もあると思うので、仕方ないことなのかなとは思います。ただ、運転手さん個人の収入に直結する話なので、素直には受け容れられるとは限らず、大変だなあと思いました(語彙力不足)。
2つ目は、まだ検討段階みたいですけど、表示灯でインボイス交付可否を示すというのもすごい対応ですね。「否」の場合、「インボイスなんか交付するか!」みたいに自らのスタンスを示すのか、あるいは「課税事業者(簡易課税を除く)の乗車お断り」みたいに乗客側に怒りをぶつける(?)のか、どんな感じになるんでしょうか。
まあ、何も言うことはないですけど、個人的には、タクシー乗車時までインボイス制度のことは考えたくないなと思います。
3. 全国個人タクシー協会が気になる
ちなみに、上記の全国個人タクシー協会は、タクシー業を営む個人事業者で構成される一般社団法人のようで、ちょっと興味があったのでウェブサイトを覗いてみました(何をやっているのか)。
すると、トップページの本当のトップに「やさしさと安全・安心を乗せて走ります」と書いてあって、「客も乗せてほしいな」と思ったり、その下には「春の個タク旅」がPRされてて、「もうすぐ立冬なんだけどな」と思ったり。
一言でいうと、愛すべきウェブサイトでした。が、そんなのどかな協会もインボイス制度を避けては通れないのが悲しいなと思います。
きっと近いうちに、トップページのメッセージも「やさしさと安全・安心と適格簡易請求書対応の車載領収書発行機を乗せて走ります」みたいに変わってしまうんだろうなあ。でも、やっぱり、何よりも客を乗せて走ってほしいなあ。
今日はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。