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佐和周のブログ

移転価格税制

第8回 親子ローンの通貨及び対応する金利の問題(移転価格税制)

引き続き「金融取引」シリーズです。

今回は、金銭の貸借取引(親子ローン)に関する「通貨」の問題について書きます。

 

1. 親子ローンの通貨の問題

前提として、一般に金利水準は通貨によって異なります

身近なところでは、外貨預金の金利は通貨によってまちまちですよね。

最近の円金利なんか見てると明らかですけど。

そうすると、移転価格税制の観点からは、親子ローンの通貨が円か外貨によって、あるべき金利水準が変わってきます

例えば、タイ子会社に円建てで貸付けを行う場合と、タイバーツ建てで貸付けを行う場合とでは、日本親会社が回収すべき金利水準(利率)も異なるということです。

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2. 比較対象取引の通貨の確認

海外子会社への貸付金の金利決定にあたっては、比較対象取引などの利率を参照することになりますが、比較対象取引については、「通貨」が国外関連取引と同一であることが必要です(もちろん、その他の諸要因も。詳細はこちら)。

なので、比較対象取引の選定にあたっては、同一通貨建ての貸付金(借入金)を選定する必要があります(実際には、たぶん社債の利回りなんでしょうけど)。円建てや米ドル建ての親子ローンなら、これでいけそうですね。

でも、通貨が異なる場合には、金利水準の差異を調整する必要があります。米ドルみたいにメジャーな通貨じゃなければ、スワップレートなんかを使って、変換する感じだと思います。

今日はここまでです。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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