1. HOME
  2. ブログ
  3. 消費税
  4. 住宅の貸付けは常に非課税取引か(消費税の課否判定)

BLOG

佐和周のブログ

消費税

住宅の貸付けは常に非課税取引か(消費税の課否判定)

「消費税の基礎知識」シリーズということで、今は「非課税取引」をテーマに書いています(ただし、非課税取引っぽいものも含む)。

今回は住宅の貸付けについて。

 

1. 住宅の貸付け

前回確認したとおり、事務所などの建物を貸し付ける場合の家賃は、消費税の課税対象になります。

一方、住宅の貸付け(住宅用としての建物の貸付け)は、基本的に非課税取引になります(非課税取引についてはこちら)。

(1) 住宅の貸付けとは

この取扱いについては、契約において住宅用であることが明らかにされていることが前提です。

ただ、そうでなくても、貸付等の状況からみて居住の用に供されていることが明らかであれば、住宅の貸付けに該当します(令和2年度税制改正でそんな感じになりました)。

「住宅」というと、一戸建ての住宅やマンション・アパートといったものが思い浮かびますが、企業が社宅や寮を貸し付けている場合も「住宅の貸付け」に含まれます

スポンサーリンク

 

(2) 転貸を含む

また、住宅の貸付けであれば、転貸でも非課税になります。

つまり、賃貸借契約において、賃借人が住宅として転貸することが明らかな場合には、ここでいう住宅の貸付けに含まれる(賃借人が行う住宅の転貸も住宅の貸付けに該当する)ということです。

(3) 家賃とは(更新料や共益費などの取扱い)

上記のとおり、住宅の貸付け(住宅用としての建物の貸付け)に係る家賃は非課税です。

この点、住宅用建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金・権利金・敷金または更新料などのうち、返還しないものは家賃として取り扱われ、同じく非課税になります。

また、共同住宅の場合、いわゆる共益費(エレベーターの運行費用など、共用部分に係る費用を入居者が応分に負担するもの)も家賃に含まれ、非課税になります。

スポンサーリンク

 

2. 住宅の貸付けが課税取引になるパターン

しかしながら、住宅の貸付けであっても、いくつか課税取引になる(課税取引が混在しうる)パターンがあります。

(1) 1か月未満の貸付け

まず、住宅の貸付けであっても、貸付期間が1か月に満たない場合は、非課税となる「住宅の貸付け」からは除かれ、消費税の課税対象になります。

(2) 水道光熱費

上記のとおり、共同住宅の場合、いわゆる共益費は非課税ですが、入居者から家賃とは別に収受する専有部分の電気・ガス・水道等の利用料は、非課税とされる家賃には含まれません。

(3) 住宅の附属設備など

通常住宅に付随して、または住宅と一体となって貸付けられるもの(例えば、以下)は、「住宅の貸付け」に含まれます

  • 庭・塀・給排水施設等・住宅の一部と認められ、住宅に付随して貸し付けられるもの
  • 家具・じゅうたん・照明設備・冷暖房設備などの住宅の附属設備で、住宅と一体となって貸付けられるもの
  • したがって、これらの対価は家賃として非課税です。

    しかしながら、これらの設備について、当事者間において住宅とは別の賃貸借の目的物として、住宅の貸付けの対価とは別に使用料等を収受している場合には、消費税の課税対象になります。

    スポンサーリンク

     

    (4) 駐車場付き住宅

    一般に、駐車場など施設の利用に伴って土地が使用される場合、消費税の課税対象になりますが(詳細はこちら)、駐車場付き住宅の場合、一定の駐車場は、それも含めて全体が住宅の貸付け(非課税)とされます

    具体的には、以下のいずれにも該当する場合です(ちょっと捨象してます)。

  • 1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられる等の場合(一戸建住宅に係る駐車場のほか、マンション等の集合住宅に係る駐車場も)
  • 住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料等を収受していない場合
  • こういった条件を満たさない場合、駐車場の使用料は消費税の課税対象になります。

    (5) 店舗兼住宅&事務所兼住宅

    だんだんマニアックになってきましたが、1つの建物に、「住宅」+「店舗または事務所等の事業用施設」が併設されている場合があります。

    こういった建物を一括して貸し付ける場合、住宅として貸し付けた部分のみが非課税となり、事業用施設として貸し付けた部分は消費税の課税対象になります。

    したがって、建物の貸付けに係る対価の額を住宅部分と事業用施設部分に合理的に区分する必要があります(床面積などで)。

    今日はここまでです。

    では、では。

    ↓オススメ本
    消費税の課否判定、私は以下の本(『消費税 課否判定・軽減税率判定早見表』)を使っています。さらっと確認したいとき、手許に1冊あると便利です。

     

    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

    関連記事

    佐和周のブログ|記事一覧

    こどもCFOブログ|LINK

    スポンサーリンク