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電子帳簿保存法

電子帳簿保存法:電子取引のデータ保存とスキャナ保存の違い

今日は、電子帳簿保存法の関係で頂いたご質問について。

個人的に「なんかいいな」と思ったものをご紹介したいと思います。

0. この記事のポイント

電子取引のデータ保存とスキャナ保存の違いは、端的には、授受する取引情報自体の違いです。具体的には、電子取引のデータ保存は「電子データ」のやり取り、スキャナ保存は「紙」のやり取りの話です(それをスキャンする)。もう1つの違いは、電子取引のデータ保存への対応が「強制」である一方、スキャナ保存への対応は「任意」という点です。

 

 

1. 素朴な疑問

ご質問は、「電子取引のデータ保存とスキャナ保存って何が違うんですか?」というものです。

ご質問を頂いたのは、スキャナ保存の細かな話をしているときなのですが、「そもそも何の話してるん?」というニュアンスですね。

こういう素朴な疑問は大事だなと思いますし、色々と所与にして話していたことは反省しないといけないです。

どちらも電磁的記録を保存してますもんね。

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2. 授受する取引情報は電子データか紙か

一番大きな違いは、授受する取引情報が「電子データ」か「紙」かという点だと思います。

(1) 電子取引は「電子データ」

電子帳簿保存法における「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引なので、そもそもの取引情報が「電子データ」です。

EDI取引でも、その他インターネット上の取引でも、メールによる取引情報の授受でもいいですが、いずれにしても、そもそも紙が存在しません。

このデータについて、「一定の要件を満たす形で、データのまま保存しましょう」というのが電子取引のデータ保存のお話です。

(2) スキャナ保存は「紙」

一方で、電子帳簿保存法における「スキャナ保存制度」とは、「取引の相手先から受け取った請求書等」の一定の国税関係書類について、一定の要件の下で、スキャン文書による保存を認めるという制度です。

つまり、国税関係書類という「紙」がまず存在し、それをスキャナによりデータ化するイメージです。

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3. 制度対応は強制か任意か

もう1つの大きな違いは、制度対応が「強制」か「任意」か、という点です。

(1) 電子取引は「強制」

まず、電子取引の制度への対応は義務です。

つまり、制度としては「強制」ということで、「対応する・しない」という選択肢自体がありません。

具体的には、2022年(令和4年)1月1日以後に行う電子取引については、電子的に受け取った請求書や領収書等をデータのまま保存する必要があります。

逆にいうと、そのデータを出力した書面等の形で保存することは認められません(実際には、2023年12月31日までは宥恕規定でOKになります。詳細はこちら

(2) スキャナ保存は「任意」

一方で、スキャナ保存制度のほうは、スキャン文書による保存を「認める」という制度なので、適用は「任意」です。

なので、メリットやデメリットを検討して適用可否を検討することが必要になります。

4. 最後に

改めて思ったのですが、素朴な疑問って、すごくいいですよね。

日本の人で、会議中にこういう内容を聞く人は少ない気がします。

個人的には、本とかを書くのであれば、こういうところをちゃんと最初に説明すべきだなと思いました(電子帳簿保存法に関する本を書きたいわけではなく、一般的な話です)。

今日はここまでです。

電子帳簿保存法に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。紹介記事はこちら)。

 

■電子帳簿保存法の電子取引に関する記事の一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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