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佐和周のブログ

グローバル・ミニマム課税

グローバル・ミニマム課税:当期純損益金額計算時の主な調整項目

いまは不定期でグローバル・ミニマム課税について書いています(全体の構成はこちら)。

今回は、個別計算所得等の金額の計算という文脈で、当期純損益金額計算時の主な調整項目について。

 

1. 当期純損益金額の計算

前々回確認したとおり、構成会社等の当期純損益金額の計算に際しては、税引後当期純損益金額がベースになります。

ただ、税引後当期純損益金額そのものというわけではなく、いくつか調整を行う必要があります。

今回は、とりあえずその調整の概要(分類)について。

2. 税引後当期純損益金額に対する主な調整

構成会社等の当期純損益金額を計算する際、税引後当期純損益金額に対して加える調整は、独立企業間価格とは異なる価格によるグループ内取引などについて、「簿価の調整」と説明されたりしますが、ちょっとわかりにくいなあと思います。

分類としては、国税庁のQ&Aの切分け方がいい感じだと思います。

(1) 簿価の調整
(2) 本店・PE間の配分等
(3) 導管会社等からの配分

このうち、(2)は恒久的施設等(PE)の損益を租税条約ベースに調整したり、本店の税引後当期純損益金額からPEに係るものを除外したり、というお話ですが、このブログでは恒久的施設等のことには触れないので、流します。また、(3)は構成会社等が導管会社等(や各種投資会社等)に該当する場合の特例計算っぽいものなので、これも無視します。

残る(1)についてだけ、確認したいと思います。

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3. 簿価の調整

上記(1)の「簿価の調整」というのは、個人的には若干引っ掛かる概念です。

前提として、構成会社等の税引後当期純損益金額は、会計数値(個別P/L)をベースにしています。これを「会計上の簿価に基づき計算された会計上の金額」と考えるようです。

で、その「会計上の簿価に基づき計算された会計上の金額」をそのまま使用してしまうと、(最終的に計算する)国別実効税率が歪んでしまうような一定の場合には、その簿価を修正する(→損益も修正する)というイメージだと思います。

具体的な調整項目としては、以下があります。

(1) 独立企業間価格(相当額)に基づく当期純損益金額の調整
(2) 特定組織再編成により資産または負債の移転が行われた場合の当期純損益金額の調整
(3) プッシュダウン会計が適用される場合の当期純損益金額の調整

いずれも、会計上の簿価とは異なるベースで損益を計算するための調整という整理だと思います。

この3項目については、次回以降で見ていくつもりではありますが、気分が乗らないかも。プッシュダウンなんか、ほんと数えるほどしか経験もないので、気分が乗ったら思い出しつつ書こうかな、という程度です。

今回はここまでです。

では、では。

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。社外監査役(東証プライム&スタンダード上場企業)。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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