オススメの書籍紹介:グローバル・ミニマム課税の本2冊
グローバル・ミニマム課税に関する対応は一巡したので(したのかな)、このブログでも少しグローバル・ミニマム課税のことを書いていこうと思います。不定期になるとは思いますが。
それに先立って、今日はオススメの書籍のご紹介です。
Table of Contents
『グローバル・ミニマム課税Q&A』と『詳解 グローバル・ミニマム課税の実務』
結論からいうと、以下の2冊は必携だと思います。
PwC税理士法人、PwC Japan有限責任監査法人 編
秋元 秀仁(先生) 著
感謝
まず、この2つの本(と著者の方々)には個人的にすごく感謝しています。
どちらも去年の夏ごろに出たと記憶していますが、この2冊のおかげで、「ああ、そういうことだったのか」と理解できた箇所が多くあります。
PwCさんの本は誤字脱字が多い気がしますが、「急いで書いてくれたんだなあ」と感謝の気持ちが湧くくらいです。
2冊とも読むべき
私は、クライアントから頂くご質問に回答するとき、だいたいどちらの本もチェックしています。
2冊を比較すると、やはり同じ項目でも説明には濃淡があり、相互補完関係もあるので、2冊セットで読むのがいいと思います。
1冊ならどちらを読むか
「どちらか1冊だけ読むなら、どちらがいいか」というのは難しいですが、会計士の人が読むのであれば、たぶんPwC本のほうがわかりやすいと思います。
制度上、個別計算所得等の金額は会計数値っぽいもの(当期純損益金額)をベースにしていたり、調整後対象租税額には繰延対象租税額が含まれていたり、ということがあります。なので、グローバル・ミニマム課税の仕組みを理解する前提として、会計上の一般的な取扱い(連結や税効果)を把握しておく必要があるのですが、PwCの本は、そのあたりの記述に違和感がありません。
一方、秋元先生の本は、それがしっくりこないところがあります(間違ってるわけではなくて、言葉の使い方に世界の違いを感じます)。
ということは、税理士の人が読むのであれば、秋元先生の本のほうがいいのかもしれません。経験上「税理士の方々がスラスラ理解されているのに、私は全然理解できない」ということも多いので。
あとは、頭が整理されていない人も、PwCの本のほうがいいです。Q&A形式で、全体像が理解しやすいので。
ただ、調整に関する趣旨説明などは、秋元先生の本のほうが丁寧でわかりやすいところもあります。また、秋元先生の本は、月刊『国際税務』の連載とリンクしているところが多く(当たり前ですが)、連載でアップデートを確認するときなどは、秋元先生の本が手許にあったほうが理解が容易です。
結論
ということで、結論としては、やはり2冊セットで持っておいたほうがよいと思います(笑)
あとは、アップデートは月刊『国際税務』で、という感じです。
今日はここまでです。
では、では。
『グローバル・ミニマム課税Q&A』(PwC税理士法人、PwC Japan有限責任監査法人 編)
『詳解 グローバル・ミニマム課税の実務』(秋元 秀仁(先生) 著)
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。