インボイス制度:令和5年3月31日までに登録申請書を提出しなかったら?
今日は、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)のことを書きます。
登録申請書を出すのが遅れてしまった場合の取扱いについて。
Table of Contents
0. この記事のポイント
1. 令和5年3月31 日までに登録申請書を提出できない場合
制度開始の令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けたければ、原則として、令和5年3月31日までに登録申請書を提出しておく必要があります(詳細はこちら)。
ただ、経験上、期限を守らない(あるいは知らない)人は一定数いるはずです。
この場合、どういう取扱いになるのでしょうか?
実際には、それについて「困難な事情」があるかどうかが問われます。
2. 困難な事情がある場合
まず、困難な事情があるケースについて。
令和5年3月31日までに登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事情がある場合には、特別な取扱いがあります。
この場合、令和5年9月30日までの間に登録申請書にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたときは、令和5年10月1日に登録を受けたこととみなされます。
上記の「困難な事情」については、一応通達に定めがあって、期限までに登録申請書を提出することにつき困難な事情があれば、その困難の度合いを問わず、上記の措置を適⽤することとされています。
すなわち、「めっちゃ困難でした」とまでは言わなくても、「ちょっと困難でした」みたいに言えばセーフってことですね(知らんけど)。
3. 困難な事情がない場合
次に、困難な事情がないケースですが、この場合は原則どおりの取扱いです。
すなわち、普通の(=「困難な事情」の記載がない)登録申請書を提出し、令和5年10月2日以後に登録を受けた場合、登録日は、その登録を受けた日となります。
4. 結論
結論としては、「登録申請書は早く出しましょう」です。
以上です。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。