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インボイス制度:新設法人の登録時期の特例

前回に引き続き、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)についてです。

今回は、新設法人が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合の取扱いについて見ていきます。

1. 新設法人の納税義務

新設法人の納税義務って、結構判定がややこしかったりしますが、設立事業年度とその翌事業年度は基準期間がないので、原則として納税義務が免除されます。ただ、事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上の場合などは、納税義務は免除されない等々の取扱いがあります。

2. 新設法人の登録手続き

では、新設法人が事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けたい場合、どういうタイミングで、どういう手続きが必要でしょうか?

この点は、新設法人が免税事業者の場合(こっちが原則)と課税事業者の場合に分けて考える必要があります。

3. 新設法人が免税事業者の場合

まずは、新設法人が免税事業者の場合の取扱いです。

前提として、適格請求書発行事業者の登録を受けることができるのは、課税事業者だけです。

上記のとおり、設立事業年度は基準期間がないので、新設法人はそのままだと免税事業者になり、したがって、適格請求書発行事業者の登録を受けることができません。

しかしながら、免税事業者である新設法人についても、設立後、その課税期間の末日までに、課税選択届出書と登録申請書を併せて提出することで、事業開始(設立)時から、適格請求書発行事業者の登録を受けることができます。

(1) 課税選択届出書

以下、順番に説明すると、まず、免税事業者である新設法人の場合、「事業を開始した日の属する課税期間の末日まで」に、課税選択届出書(「消費税課税事業者選択届出書」)を提出すれば、その事業を開始した日の属する課税期間の初日から課税事業者となることができます。

これは普通の話です。

(2) 登録申請書

ただ、インボイス制度に関しては、「新設法人等の登録時期の特例」があります。

具体的には、以下のケースでは、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます

  • 新設法人が、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、
  • 「事業を開始した日の属する課税期間の末日まで」に提出した場合において、
  • 税務署長により適格請求書発行事業者登録簿への登載が行われたとき
  • (3) 届出のスケジュールのイメージ

    Q&A(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A)では、新設法人等の登録時期の特例について、具体例で示されています。

    設定は以下のとおりです。

  • 令和5年11月1日に法人(3月決算)を設立
  • 同法人は、免税事業者である新設法人に該当
  • 同法人は、令和6年2月1日に登録申請書と課税選択届出書を併せて提出
  • この場合の取扱いは以下のとおりで、設立事業年度(令和6年3月期)も適格請求書発行事業者になっています。

    (出典:国税庁 「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」 (令和3年7月改訂)問12)

     

    4. 新設法人が課税事業者の場合

    次に、新設法人が課税事業者の場合の取扱いです。

    上記のとおり、事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上の場合などは、新設法人がいきなり課税事業者になることもあります。

    課税事業者である新設法人の場合についても、新設法人等の登録時期の特例の適用があるので、事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けることは可能です。

    具体的には、「事業を開始した課税期間の末日まで」に、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を提出すればいい、ってことですね。

    もともと課税事業者なので、課税選択届出書はいらないです。

    今日はここまでです。

    では、では。

    ■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

     

    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

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