会計英語㉓ 「控除(△)」を英語で
引き続き、「話すときに使いやすい会計英語シリーズ」です。
が、いつものような「会計用語」の英訳ではなく、「記号」を英語で表現しようという新機軸です。
Table of Contents
1. 「控除(△)」を英語で
ちょっと前振りですが、固定資産(有形固定資産など)って、減価償却しますよね。
で、貸借対照表上では、取得原価から減価償却累計額を控除する形式です。直接控除だったり、間接控除だったりしますけど。
間接控除なら、例えば、以下のような表示になります(帳簿価額が80ってことです)。
減価償却累計額 △20
このシリーズ初の記号ですが、この場合の「△」って、英語でどう表現するのでしょうか?
答えは…
lessを使うといいと思います。
例えば、以下のような感じです。
Less: Accumulated depreciation 20
(1) △は使わないほうがいい
ちなみに、マイナス数値としての△というマーク、あんまり海外の人には通じないです。
国にもよるのかもしれませんが、少なくとも私は使いません。△20と書く代わりに、( )を付けて、(20)と書いたほうが、マイナスの数値であることが伝わりやすいと思います。
日本親会社の経理の方が、たまにマイナス数値を「△」とか「▲」で表記したまま、海外子会社に資料を送ったりしますが、海外子会社の経理担当者に聞くと、「マイナスの意味っていうのは推測できるけど、何で△なの?」みたいな反応です。「増加(up)という意味かと思った」と言われて、「なるほどなー」と思ったこともあります。
興味がある方は、実験してみてください。
(2) lessは使いやすい
話しを戻すと、lessは他にも色々使えて、非常に便利な単語です。
△より広く、日本語で「AマイナスB」という表現をしたいときには、だいたいA less Bでいけます。
例えば、以下です。
(売却費用控除後の公正価値)
「売却費用控除後の公正価値」は、要は「公正価値マイナス売却費用」なので、”fair value” less “costs to sell”という作りですね。
2. 普通の文脈での「控除」を英語で
ちなみに、普通に名詞としての「控除」を英訳する場合はどうでしょうか?
これはdeductionでいいと思います。
税務の分野では、すごくよく使う単語です。
今日はここまでです。
では、では。
「(1) 単語を覚える → (2) 単語の組み合わせを覚える → (3) 英語を書く →(4) 英語で話す」の4段階に分けて、英語の勉強法(やオススメの書籍など)について書いています。
公認会計士が会計の英語を勉強したときの経過(4段階)
上記の段階に沿って、実際に私がどうやって英語の勉強をしてきたかを書いています。また、この記事の番外編では、「家出のドリッピー」的教材についても考察(?)しています。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
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