オススメの書籍紹介:『CFO思考』
このブログでは、不定期でオススメの本をご紹介しています。
いま自分で本を書いているので、その本(コーポレート・ファイナンス関係の本)に参考文献として書く予定の本を挙げています。
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今回は『CFO思考』です
今回は、『CFO思考』(徳成旨亮(さん)著)という本です。
著者はニコンのCFOで、有名な方です。
CFOという仕事の魅力と楽しさと…
もともとこの本は、企業の方に薦めて頂いて読んだもので、ファイナンス関係の本というよりは、「CFOという仕事の魅力と楽しさ」を伝える本のようです(たぶん)。
実際にCFOをやっておられる方の著書なので、当然ながら実務寄りです。
ただ、マクロ的な解説やケインズのアニマルスピリッツなんかも取り扱われていて、すごくバランスがいい本だと思います。
「CFOが担う10の責任領域と役割」という章(第3章)にもあるとおり、CFOの仕事は幅広いので、「魅力や楽しさ」だけでなく、大変さも十分に伝わってきます。いや、むしろ大変さのほうが…
ちなみに、CFOの位置付け(日本の特殊性)について、何となく疑問に思っていたことも解消したので、個人的にはそれだけでも読んでよかったです。
伊藤レポートを思い出す
ファイナンスに関係する部分について言うのであれば、内容的には伊藤レポートっぽくて、それをより実務に近い形で解説してあるように感じました。
1つ1つの項目が実例(というか著者のご経験)に基づいて解説されているので、それにより「ああ、伊藤レポートに書いてあったのはこういう内容だったんだなあ」と改めて理解できた部分もありました。
また、伊藤レポートに書いてある内容は、何となく絵空事のように感じる部分もあるのですが、それをちゃんと考えて、実務に落とし込んでいる企業もあるんだなあと、ただただ感心しました。
企業の方がご覧になれば、私よりも納得される部分が多い気がしますが、同時に「うちではこれは無理だ」と思われる部分もありそうです(笑)
色んな意味でいい刺激になるので、特にCFOへの道のりを進んでおられる方々にはオススメです。
今日はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。