令和6年度税制改正大綱:事業者免税点制度・簡易課税制度の見直し(消費税)
先週金曜日に、令和6年度税制改正大綱が公表されました(こちら)。
あまり興味が湧かないのですが、気になったものを少しずつ書いていきたいと思います。
今回は、消費税の事業者免税点制度・簡易課税制度の見直しについて。
Table of Contents
事業者免税点制度・簡易課税制度の見直し
消費税について、プラットフォーム課税の導入については、昨日書いたとおりですが、これとあわせて、事業者免税点制度や簡易課税制度も見直されています。
端的には、国外事業者がこれらの制度を利用して行う租税回避を防止する趣旨です。
事業者免税点制度の特例の見直し
まず、事業者免税点制度の特例の見直しについては、概要は以下のとおりです。
① 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例について、課税売上高に代わり適用可能とされている給与支払額による判定の対象から国外事業者を除外する。
② 資本金1,000万円以上の新設法人に対する納税義務の免除の特例について、外国法人は基準期間を有する場合であっても、国内における事業の開始時に本特例の適用の判定を行う。
③ 資本金1,000万円未満の特定新規設立法人に対する納税義務の免除の特例について、本特例の対象となる特定新規設立法人の範囲に、その事業者の国外分を含む収入金額が50億円超である者が直接又は間接に支配する法人を設立した場合のその法人を加えるほか、上記②と同様の措置を講ずる。
② 資本金1,000万円以上の新設法人に対する納税義務の免除の特例について、外国法人は基準期間を有する場合であっても、国内における事業の開始時に本特例の適用の判定を行う。
③ 資本金1,000万円未満の特定新規設立法人に対する納税義務の免除の特例について、本特例の対象となる特定新規設立法人の範囲に、その事業者の国外分を含む収入金額が50億円超である者が直接又は間接に支配する法人を設立した場合のその法人を加えるほか、上記②と同様の措置を講ずる。
上記の改正は、令和6年10月1日以後に開始する課税期間から適用される見込みです。
①については、給与支払額による判定はよく使っているように思うので、それなりに影響は大きそうですね。外国法人の消費税の納税義務の判定はトラップが多いので、気を付けないといけないなと思います。
簡易課税制度等の見直し
次に、簡易課税制度等の見直しについては、概要は以下のとおりです。
●その課税期間の初日において所得税法又は法人税法上の恒久的施設を有しない国外事業者については、簡易課税制度の適用を認めないこととする。
●適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置の適用についても同様とする。
●適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置の適用についても同様とする。
上記の改正も、令和6年10月1日以後に開始する課税期間から適用される見込みです。
今日はここまでです。
では、では。
この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。