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令和6年度税制改正大綱:プラットフォーム課税の導入(消費税)

先週金曜日に、令和6年度税制改正大綱が公表されました(こちら)。

あまり興味が湧かないのですが、気になったものを少しずつ書いていきたいと思います。

今回は、消費税のプラットフォーム課税について。

 

プラットフォーム課税

まず、プラットフォーム課税というのは、プラットフォーム運営事業者の背後にいる国外事業者(e.g. 国外のオンラインゲーム会社等)の代わりに、プラットフォーム運営事業者に消費税を納税させる仕組みです。

問題意識としては、経産省の税制改正要望にあったとおり、国外事業者がちゃんと消費税を納めない点にあります。

もう少し言うと、プラットフォーム運営事業者が取引の仲介のみを行う「消費者向け電気通信利用役務の提供」では、その背後にいる国外事業者自身が納税義務を負うことになっています。しかしながら、国外事業者が日本国内に拠点を持たない場合、当局としては、納税義務者の捕捉や調査等に限界があるというお話です。

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大綱の内容

大綱の大まかな内容は以下のとおりです。

① 国外事業者がデジタルプラットフォームを介して行う「消費者向け電気通信利用役務の提供」のうち、下記②の指定を受けたプラットフォーム事業者(「特定プラットフォーム事業者」)を介してその対価を収受するものについては、特定プラットフォーム事業者が行ったものとみなす。

② 国税庁長官は、プラットフォーム事業者のその課税期間において上記①の対象となるべき電気通信利用役務の提供に係る対価の額の合計額が50億円を超える場合には、当該プラットフォーム事業者を特定プラットフォーム事業者として指定する。

③ 上記②の要件に該当する者は、その課税期間に係る確定申告書の提出期限までに、その旨を国税庁長官に届け出なければならない。

④ 国税庁長官は、特定プラットフォーム事業者を指定したときは、当該特定プラットフォーム事業者に対してその旨を通知するとともに、当該特定プラットフォーム事業者に係るデジタルプラットフォームの名称等についてインターネットを通じて速やかに公表するものとし、指定を受けた特定プラットフォーム事業者は、上記①の対象となる国外事業者に対してその旨を通知するものとする。

⑤ 特定プラットフォーム事業者は、確定申告書に上記①の対象となる金額等を記載した明細書を添付するものとする。

①にあるとおり、対象は国外事業者が提供するデジタルサービスなので、(提供側としての)国内の事業者には影響が出ない形になっています。

また、②にあるとおり、対象となるプラットフォーム事業者は、一定の規模を有する事業者に限定されていますが、これは高い税務コンプライアンスや事務処理能力が求められること等を考慮したものだそうです。

上記の改正は、令和7年4月1日以後に行われる電気通信利用役務の提供について適用される見込みです。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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