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資産除去債務:土地に関連する除去費用(土壌汚染対策費用など)の取扱い

今週は、私が苦手な資産除去債務のことを書いています。

色々とあって、会計基準を見返しているところです。

 

1. 土地に関連する除去費用の位置付け

資産除去債務会計基準では、土地の汚染除去の義務が通常の使用によって生じた場合で、それがその土地に建てられている建物や構築物等の資産除去債務と考えられるときには、同会計基準の対象になるとしています。

つまり、工場用地があって、そこに建屋がある場合などは、土地に関連する除去費用(土壌汚染対策費用など)について資産除去債務を計上することがありえるということです。

2. 建物等がある場合(具体的な費用配分方法)

問題となるのは、土地に関連する除去費用の各期への費用配分です。すなわち、資産除去債務に関連する有形固定資産の帳簿価額の増加額として資産計上された金額は、減価償却を通じて、有形固定資産の残存耐用年数にわたり、各期に費用配分されます。

そうすると、土地に関連する除去費用に係る資産除去債務の場合、費用配分はどうなるのか、という疑問が生じます。

資産除去債務会計基準でも、「土地が処分されるまでの間、費用計上されないことになるのではないか」という見方が示されていますが、これに対しては、以下のような考え方が示されています。

  • 土地の原状回復等が法令または契約で要求されている場合の支出は、一般にその土地に建てられている建物や構築物等の有形固定資産に関連する資産除去債務であると考えられる
  • このため、土地の原状回復費用等は、当該有形固定資産の減価償却を通じて各期に費用配分される

イマイチしっくりきませんが、あくまでも(意地でも)建物等に関する資産除去債務として整理するということですね。

実際に、資産除去債務に土地に関連する除去費用が含まれているっぽい注記もあります。

(資産除去債務関係)
資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上しているもの
(1)当該資産除去債務の概要
アスベスト除去費用、PCB除去費用、賃借事務所等原状回復費用、借地原状回復費用、土壌回復費用等であります。

…建物に使用されている有害物質(石綿障害予防規則に基づくもの)の除去費用、及び土壌汚染回復費用であります。

…土壌汚染対策法に基づく…工場における工場撤去時の土壌調査費用であります。

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3. 更地の場合

納得できるかどうかは別にして、土地の上に建物などがあれば、上記のような会計処理になります。

一方、上記の基準の書き方からすると、更地の場合は、資産除去債務会計基準の対象外と考えていいんだと思います。

なので、更地の場合には、汚染除去の義務があれば、土壌汚染対策費用などに対して引当金を計上したり、該当する土地を減損処理したり、という対応が必要になる場合があります。要は一括費用処理です。

引当金を計上する場合、「土壌汚染対策」みたいに明記しているケースはあまりないかもしれませんが、より一般的に(同様の環境対策を含めて)「環境対策」引当金のような科目で処理しているケースはよくあるんじゃないかと思います(例えば、以下のような注記)。

環境対策引当金
土壌汚染対策などの環境対策に係る費用に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を計上しております。

資産除去債務として計上するか、引当金として計上するかによって損益配分は変わるので、このあたりの判断は重要なのですが、イマイチ納得できない部分も残ります。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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