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資産除去債務の例:定期借地権(○)&普通借地権(×)

今週は、私が苦手な資産除去債務のことを書いています。

色々とあって、会計基準を見返しているところです。

 

1. 資産除去債務とは

「資産除去債務」とは、有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいいます。

2. 法律上の義務

上記のとおり、資産除去債務の定義として、「法律上の義務」が含まれます。

ということで、今日は借地権のことを書きたいと思います(定期借地権と普通借地権に分けて)。

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3. 定期借地権契約

資産除去債務の例として、普通の不動産賃貸借契約(に基づく原状回復義務)はよく登場しますが、定期借地権契約も比較的よく見かけるんじゃないかと思います(例えば、以下のような注記)。

(資産除去債務関係)
1.資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上しているもの
イ 当該資産除去債務の概要
定期借地権契約における賃借期間終了時の原状回復義務等であります。

これは、定期借地権契約の場合、それが事業用定期借地権(10年以上50年未満)であっても、一般定期借地権(50年以上)であっても、契約終了時には、原則として借地人は建物を取り壊して土地(更地)を返還する必要があるためです。

なので、法律上の義務として、資産除去債務を計上するということで。

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4. 普通借地権契約

一方で、普通借地権の場合には、基本的に資産除去債務は計上しません

これは、普通借地権の場合、法定更新されるうえ、借地人は借地権設定者に対して、期間満了による契約終了時の建物買取請求権を持つためです(特約で否定しても覆せない)。

なので、借地人のほうは、法律上の義務を負わず、資産除去債務は計上されないということです。

なお、旧(借地法上の)借地権のことは無視してます。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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