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佐和周のブログ

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海外子会社往査で見ておきたいこと ①売掛金の滞留管理

昨日、ブログの更新について「1か月くらいは続けたいと思っているので、たぶん1週間くらいは続くと思います」と書いたのですが、すでに今日の更新を忘れかけており、我ながらびっくりです。

今日は、海外子会社に往査したときに、不正リスク対応の観点から見ておきたいポイントについて書きます(往査主体については特定しません)。

海外子会社不正の本

少し前(2026年5月)に海外子会社不正の本を書きました(↓)

事例でわかる 海外子会社の不正リスクと対応 ケース50

この本は、タイトルのとおり、海外子会社における不正(や誤謬)などの事例をコンパクトに解説するものですが、そのなかに「ケース7:売掛金が滞留していないように見せかける」というケースがあります。

ケース7:売掛金が滞留していないように見せかける

これは事例としてはちょっと古いのですが、参考になる要素が多く、取り上げたものです。

概要は、以下のとおりです。

本事例は、スペイン子会社S社において、同社社長であるX氏の主導により、…売掛金の過大計上(貸倒引当金の過少計上)などの様々な不正が行われ、2007年3月期から2013年3月期第1四半期までの累計で、売上高約75億円、営業利益約216億円、当期純損益約308億円が、それぞれ過大計上されていたものである。

事例のポイント

事例のスペイン子会社S社では、過大計上された売掛金について、以下のような方法で、売上債権の滞留チェック(年齢調べ)を回避しています。

・いったん請求を取り消し、新しい日付で実体を伴わない請求書を発行する方法
・別の取引先からの売掛金回収や前受金を売掛金の消込みに充当する方法
・架空仕入を計上したうえで、対応する買掛金を売掛金と相殺する方法
・架空の定期預金を計上し、相手勘定として売掛金を減額する方法
・借入れを売掛金の減少として処理する方法
・実体のない売上債権のファクタリングにより確保した資金をディストリビューターに提供し、それを自社に還流させて売掛金の入金を偽装する方法

ありがちなパターンですよね(なかにはダイナミックなものもありますが)。

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海外子会社往査で見ておきたいこと

売掛金の滞留チェックは極めて基本的な統制ですが、架空売上の計上に対しては非常に有効な統制なので、不正の実行者はあの手この手でそれを回避しようとするわけです。

まずは、日本側から数字を見るときに、上記のようなパターンは頭に入れておくとよいと思います。

また、海外子会社往査で現地にいれば、普段のオペレーションも細かく聞ける(見せてもらえる)わけなので、「売掛金の消込みって、どんな感じでやってますか?」とか「売掛金と買掛金を相殺してる取引先って、どこがありますか?」みたいなことも聞きやすいですよね。

私も海外子会社に行くときは、債権管理のことをよく聞くようにしていますが、これには単純に債権の評価の問題だけでなく、「売上を操作していないか」という目線もあります。

あとは、ちょっと探りを入れてみるのもいいと思います。

「架空売掛金はないですか?」とか「この会社で架空売上を計上したとして、売掛金の滞留チェックはどうやったら回避できますか?」みたいなことを聞いて、反応を見るとか笑

今日はここまでです。

では、では。

事例でわかる 海外子会社の不正リスクと対応 ケース50

 
この記事を書いたのは… 佐和 周(公認会計士・税理士) 現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。社外監査役(東証プライム上場企業)。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら
 

 

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