グローバル・ミニマム課税:当期純損益金額に対する調整③ 除外資本損益

いまは不定期でグローバル・ミニマム課税について書いています(全体の構成はこちら)。
今回は、(特例適用前)個別計算所得等の金額の計算という文脈で、当期純損益金額に対する調整の3つ目、除外資本損益に関する調整について。
Table of Contents
1. 調整内容要約
まず、さっぱりと調整(加減算)内容を書くと、以下のとおりです。
-除外資本損益(当期純損益金額に係る利益の額としている金額)
2. 除外資本損益とは
前回は除外「配当」でしたが、今回は除外「資本損益」です。
除外資本損益とは、端的には、ポートフォリオ株式以外の株式(詳細は除外配当に関する記事参照)に係る損益です。あ、配当以外の損益ということで。
除外配当のケースとは異なり、除外資本損益のほうは所有期間に関する要件はなく、所有持分の割合(10%以上か否か)で判定を行います。
具体的には、調整の対象となる除外資本損益は、以下の損益(当期純損益金額に係る損失または利益の額としている金額)を意味します。
② 所有持分の持分法による損益(注)
③ 所有持分(10%以上)の譲渡損益
(注)持分法による投資損益については、所有持分の割合に関する要件はありません。まあ、10%以上でしょうけど。
どうでもいい話ですけど、単体で持分法による投資損益が計上されてるケースって、結構あるんですかね。
3. 除外資本損益に係る調整(加減算)
この「除外資本損益」については、当期純損益金額に加減算することで、それを除外する調整を行います。言い換えると、個別計算所得等の金額に含まれないようにするということです。
日本とはちょっと違いますが、ポートフォリオ株式以外の株式に係る損益については、いわゆる「資本参加免税」などにより、課税所得に反映しない国があるので、それを踏まえた調整と整理できます。
4. 除外資本損益の計算特例
除外資本損益に関する調整の内容は上記のとおりですが、選択により、除外資本損益のうち課税所得の計算に含まれる一定のものについては、調整の対象外とすることができます。
詳細はまた今度書きます。
今回はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。社外監査役(東証プライム&スタンダード上場企業)。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。