インボイス制度:登載事項変更届出書の提出が不要なケース
消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について、ここ数か月の議論のアップデートです。
今回のテーマは、登載事項変更届出書の提出が不要なケースです。
Table of Contents
1. 適格請求書発行事業者の公表情報の変更
前提として、適格請求書発行事業者の登録を行った後、以下のような「法定の公表事項」に変更があった場合は、所轄税務署長に「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書」を提出する必要があります。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称
- 法人の本店所在地 など
これにより、適格請求書発行事業者登録簿の情報及び公表情報が変更されます。
2. 本店所在地の変更(法人)
2023年4月のQ&A改訂に合わせて、以下の記事に追記したのですが、適格請求書発行事業者のうち法人については、変更事項が「名称」または「本店または主たる事務所の所在地」であり、その異動事項について記載した異動届出書の提出を行っている場合は、「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書」の提出を省略して差し支えないこととされています。
具体的には、通常の異動届出書の「消費税」欄にチェックを入れて、(異動前の所轄税務署長に)提出することで、「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書」の提出を省略できます。
3. インボイス登録センターへの共有
税務通信(3757号)のショウ・ウインドウに書いてあったのですが、異動届出書の提出後、異動事項の情報がインボイス登録センターに共有されるそうです。
なので、納税者側では、異動届出書だけ出しておけばOKということで。
今日はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。