インボイス制度:電気料金のインボイス発行・交付
消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について、ここ数か月の議論のアップデートです。
今回のテーマは、電気料金のインボイス対応です。
水道料金と同じく、税務通信(3757号)に解説があるので、詳細についてはそちらをご参照ください。
Table of Contents
1. 電子交付のパターン
電力会社などに支払う電気料金について、仕入税額控除を適用するためには、インボイスの保存が必要になります(未払計上の場合の取扱いは以下をどうぞ)。
問題は、電力会社が「何をもってインボイスとしているか」という点です。
この点、税務通信の記事では、東京電力エナジーパートナー株式会社に取材されており、同社では規制料金について、Webサイトでインボイスを交付する(電子交付)という対応になるみたいです。
具体的には、「Web検針票」とか、個人向けの「くらしTEPCO web」とか、法人向けの「ビジネスTEPCO」などです。
2. 書面交付のパターン
その他、以下のように書面交付のパターンもあるそうです。
➡ 「請求書」をインボイスとして郵送
自由料金プラン(特別高圧・高圧)の顧客
➡ 書面の「電気料金等請求書」をインボイスとして郵送
いずれにせよ、「電気料金について、インボイスは何なのか」を確認しておけば大丈夫だと思います。
3. 関西電力の場合
ちなみに、関西電力の場合、一部の契約種別を除いて、インボイスは以下のWEBサービスによる電子交付になるようです。
- はぴeみる電
- 電気ご使用量お知らせサービス
- 電気ご使用量まとめて照会サービス
同社ウェブサイトでは、現在が発行している紙の請求書はインボイス(適格請求書)に該当しない旨が注意喚起されています。
私が気になるのは、「はぴeみる電」というネーミングを皆さんがどう考えているのかという点だけです。「くらしTEPCO web」とはちょっと趣の違うネーミング・センスだなと思います。
今日はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。