給料・賞与・退職金は仕入税額控除の対象になるか(消費税)
「消費税の基礎知識」シリーズということで、「仕入税額控除」をテーマに書いていきます。
今回は、給与等です。
Table of Contents
0. この記事のポイント
給料・賞与・退職金などは、仕入税額控除の対象になりません。これは、「給与等を対価とする役務の提供」は、課税仕入れの範囲から除かれているためです。
1. 給料・賞与・退職金は仕入税額控除の対象外
給料・賞与・退職金などは、仕入税額控除の対象になるでしょうか?
答えは…
結論として、これら給与等は仕入税額控除の対象になりません。
これは、「給与等を対価とする役務の提供」は、課税仕入れの範囲から除かれているためです。
2. 給与等を対価とする役務の提供とは
ここでいう「給与等を対価とする役務の提供」とは、雇用契約またはこれに準ずる契約に基づき給与等を対価として労務を提供することをいいます。
少し整理すると、事業者が他の者から役務の提供を受けた場合、一般に課税仕入れに該当します。しかしながら、その役務の提供が雇用契約に基づくものであり、その支払った対価が給与所得となる場合には、課税仕入れには該当しないということです。
具体的には、この場合の「給与等」には、例えば、以下が含まれます。
つまり、これらはすべて仕入税額控除の対象にならないということです。
この点は、役員報酬でも、アルバイトの人の報酬でも同じです。
2. 人件費で仕入税額控除の対象になるもの
人件費のなかで課税仕入れに該当するものは、通勤手当や日当(国内出張に係るもの)くらいでしょうか。
通勤手当については、次回確認したいと思います。
今日はここまでです。
では、では。
↓オススメ本
消費税の課否判定、私は以下の本(『消費税 課否判定・軽減税率判定早見表』)を使っています。さらっと確認したいとき、手許に1冊あると便利です。
この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。