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補欠監査役と一時監査役の違い

今月は、日本監査役協会さんのセミナーがあるので(詳細はこちら)、少しの間、監査役監査のことを書いてます(お断りなどはこちら)。

今回は、レアなタイプの(?)監査役について、さっぱり書きます。

具体的には、補欠監査役と一時監査役です。

 

1. 補欠監査役とは

会社法に規定がありますが、補欠監査役は、不測の事態に備えて、株主総会で選任されるものです。

不測の事態というのは、以下の抜粋にあるとおり、何らかの理由で監査役が退任するなど、監査役に欠員が生じた場合です。

(選任)
第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。
(中略)
3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる

補欠監査役については、通常の監査役と異なり、監査役に欠員が生じるまでは(つまり、補欠監査役のステイタスのときには監査役としての職務は行いません

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2. 一時監査役とは

会社法に規定がありますが、一時監査役は、監査役に欠員が生じたときに、利害関係人からの申し立てにより、裁判所によって選任されるものです。

(役員等に欠員を生じた場合の措置)
第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
2 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
(以下略)

監査役に欠員が生じた場合、株主総会を開催し、新たな監査役を選任する必要があります。

それが簡単にできるなら何も問題はないのですが、上場企業のようにすぐに株主総会を開催できない場合には、監査役の補充は容易ではありません。

補欠監査役がいればいいのですが、そうでない場合に、利害関係人からの申し立てにより、裁判所が選任するのが一時監査役です。

一時監査役は文字どおり「一時」の監査役なので、その後の株主総会において、正式な手続きに基づいて監査役を選任する必要があります。

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3. 両者の違いは?

補欠監査役と一時監査役は、ともに何らかの理由で監査役が退任するなど、不測の事態が生じて、監査役に欠員が生じた場合にクローズアップされます。

しかしながら、補欠監査役は、このような不測の事態に対処すべく、事前に株主総会で選任されているものです。

一方で、一時監査役は、そういう準備ができていない状態で欠員が生じてしまったときに、裁判所により選任されるものです。

今日はここまでです。

では、では。

監査役監査に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。軽い紹介記事はこちら)。

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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