会計英語⑬ 「繰り越す」を英語で
今日からまた「話すときに使いやすい会計英語シリーズ」です。
会計の英語については、ちゃんとした英語じゃなくて、普通に喋るときに使いやすい英語ということで、このブログでコツコツ書いています(記事の一覧はこちら)。
今日は、期をまたぐときの「繰り越す」という表現です。
Table of Contents
1. 「繰り越す」を英語で
早速ですが、この「繰り越す」は、英語で何というのでしょうか?
答えは…
to carry forwardが一番良さそうです。
(Aを繰り越す)
例えば、以下のような使い方です。
(残高を次期に繰り越す)
なお、このbalanceは「残高」という意味ですが、これについては次回です。
2. 「欠損金を繰り越す」を英語で
勘定残高以外で、よく繰り越すものには、欠損金があります。法人税の繰越欠損金の話ですね。
この「欠損金」、端的には「税務上の損失」のことなので、tax lossと訳します(米国だと、net operating lossとか言いますけど)。
なので、これにto carry forwardを組み合わせると、以下のような感じです。
(欠損金を繰り越す)
3. 「(前期から)繰り越されてくる」を英語で
残高などを「来期に繰り越す」のは、上記のとおりto carry forwardなのですが、逆に「前期から繰り越されてくる」というのは、受動態の形で以下のように表現します。
(前期から繰り越されてくる)
なので、よく使われる「前期繰越残高」という表現は、balances brought forwardと訳せます。
ちなみに、to bring forwardという表現は、会計以外の世界では、将来の予定を前倒しするときにも使うと思います。前期繰越も同じニュアンスなんですが、手許に引き寄せるイメージでしょうか。
おまけ:c/fとb/f
最後にもう1つだけ。
帳簿なんかを見ていると、よくc/fとかb/fとか書いてありますが、これらはcarried forwardと brought forwardの略です。それぞれ「次期繰越」と「前期繰越」いう意味ですね。
今日はここまでです。
では、では。
「Aを繰り越す」
➡ to carry forward A
「残高を次期に繰り越す」
➡ to carry forward balances to the next period
「欠損金を繰り越す」
➡ to carry forward tax losses
「前期から繰り越されてくる」
➡ to be brought forward
「(1) 単語を覚える → (2) 単語の組み合わせを覚える → (3) 英語を書く →(4) 英語で話す」の4段階に分けて、英語の勉強法(やオススメの書籍など)について書いています。
公認会計士が会計の英語を勉強したときの経過(4段階)
上記の段階に沿って、実際に私がどうやって英語の勉強をしてきたかを書いています。また、この記事の番外編では、「家出のドリッピー」的教材についても考察(?)しています。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
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