セグメント情報:組織変更等による報告セグメント区分方法の変更
引き続きセグメント情報のことを書きます。
今回は、組織変更等による報告セグメント区分方法の変更について。
Table of Contents
1. 組織変更等による報告セグメント区分方法の変更
組織構造の変更等、企業の管理手法が変更されたために、報告セグメントの区分方法を変更する場合には、その旨及び前年度のセグメント情報を当年度の区分方法により作り直した情報を開示する必要があります。
ただし、前年度のセグメント情報を当年度の区分方法により作り直した情報を開示することが実務上困難な場合には、当年度のセグメント情報を前年度の区分方法により作成した情報を開示することができます。
また、その開示も実務上困難な場合(例えば、企業が従来とは大きく異なる組織体制を採用した場合)には、それに代えて、当該開示を行うことが実務上困難な旨及びその理由を記載する必要があります。
2. 組織構造の変更
組織変更のケースについて、報告セグメントの区分方法を変更する場合の開示は以下のような感じです。
報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、組織変更を行い、西日本本部から中日本本部を分離・独立いたしました。これに伴い、報告セグメントを従来の「西日本本部」から「西日本本部」と「中日本本部」に分割しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しており、「4 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」の前連結会計年度に記載しております。
また、以下のように1事業年度に2回組織変更している例もあります(すごいな)。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当社は、第1四半期連結会計期間期首の組織変更に伴い、第1四半期連結会計期間より、従来の「SM」事業を「SM」事業及び「DS」事業に変更するとともに、「サービス・専門店」事業に含めていた一部の子会社を「その他」事業に変更しております。また、第3四半期連結会計期間期首の組織変更に伴い、「SM」事業に含めていた一部の子会社を第3四半期連結会計期間より「GMS」事業に変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しております。
ちなみに、「SM事業」の主な事業内容は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、小型スーパーマーケットなどとされています。誤解なきよう。
3. 管理手法の変更
一方、組織変更はなくても、管理手法の変更により、セグメントの区分方法を変更することもあります。
この場合の開示は以下のような感じです(全く組織変更がないのかはわかりませんが)。
(報告セグメントの区分方法の変更)
当社グループ内の業績管理区分の一部変更に伴い、当連結会計年度より、当社グループの報告セグメントの区分として従来「その他」に含まれていた●●●株式会社及び株式会社●●●の営む事業を「○○○事業」に変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
今日はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。