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電子帳簿保存法

電子帳簿保存法(スキャナ保存):令和5年度税制改正の方向性-保存要件の緩和

週末ですが、この時期特有の税制改正のお話です。

令和5年度税制改正において、電子帳簿保存法の関係では、「納税環境整備」の一環としての改正が入りそうです。

まだ方向性は固まっていないようですが、電子取引のデータ保存以外に、スキャナ保存のほうも改正がありそうです。

 

1. 現状の重要書類のスキャナ保存の要件

重要書類について書きますが、スキャナ保存にあたっては、現状は以下の要件を充足する必要があります(詳細はこちら)。

(1) 入力期間の制限
(2) 一定水準以上の解像度(200dpi以上)による読み取り+カラー画像による読み取り(赤・緑・青それぞれ256階調(約1677万色)以上)
(3) タイムスタンプの付与など
(4) 解像度及び階調情報の保存+(一定の場合)大きさ情報の保存
(5) バージョン管理(訂正または削除の事実及び内容の確認等)
(6) 入力者等情報の確認
(7) スキャン文書と帳簿との相互関連性の保持
(8) 見読可能装置(14インチ以上のカラーディスプレイ、4ポイント文字の認識等)の備付け+整然・明瞭出力
(9) 電子計算機処理システムの開発関係書類等の備付け
(10) 検索機能の確保

これを前提に、以下、改正の可能性がある項目について。

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2. 解像度及び階調情報の保存+(一定の場合)大きさ情報の保存(不要に)

まず、上記(4)について、令和5年度税制改正で、スキャナで読み取った際の情報(解像度・階調・大きさ)の保存を不要とする方向性のようです。

ふぅーん、という感じです。

3. 入力者等情報の確認(不要に)

上記(6)については、現状は、入力を行う者またはその者を直接監督する者に関する情報を確認できるようにしておく必要があります。具体的には、これらの者を特定できるような事業者名・役職名・所属部署名・氏名などの身分を明らかにするものの電子的記録(または書面)により、確認できるようにしておくということです。

これについて、令和5年度税制改正で、入力を行う者等の情報の確認を不要とする方向性のようです。

ふぅーん、という感じです。

4. 一般書類のスキャナ保存への影響

もう1つ、上記(7)については、帳簿の記録事項との間に、相互にその関連性を確認することができるよう求める書類を重要書類に限定する方向性のようです。

つまり、一般書類のスキャナ保存のほうだけへの影響です(重要書類との違いはこちら)。

ふぅーん、という感じです。

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5. よくわからない

プロが見ると影響があるのかもしれませんが、素人目にはどうでもよさそうに見えます。

これも税務通信の解説待ちということで、とりあえずここまでです。

【2022年12月追記】
この内容は、令和5年度与党税制改正大綱に反映されています(以下の記事です)。

 

では、では。

電子帳簿保存法に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。第2版の紹介記事はこちら)。

第3版 電子帳簿保存法の制度と実務(Amazon)

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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