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インボイス制度:複数社に対して交付する立替金精算書上の端数処理

今日も、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)のことを書きます。

ずっと前にご質問を頂いていたものの、答えが分からなかったものですが、複数社に対して交付する立替金精算書における端数処理の問題です。

0. この記事のポイント

複数社のために立替払いしているケースでは、立替金精算書上、適格請求書上の金額(対価の額や消費税額等の額)を複数社に割り振る必要があります。そうすると、主に端数処理の関係で、うまく割り振れないことがありえますが、合理的な方法で割り振っている限りは、特段問題にはならないようです。

 

 

1. インボイス制度下の立替金の取扱い

業界によっては、日常的に他社のために立替払いをしたり、他者に立替払いをしてもらったり、ということがあると思います。

他社に立替払いをしてもらった場合の仕入税額控除については、以下の記事にまとめました。

 

上記の記事をさっぱり要約すると、例えば、A社がB社に立替払いしてもらった場合、A社においては、状況に応じて以下のいずれか対応が必要になります。

  • A社宛の適格請求書を保存
  • B社から立替金精算書などの交付を受け、B社宛ての適格請求書(または写し)をセットで保存
  • B社から立替金精算書などの交付を受け、それを保存(B社による写しの交付が困難な場合)
  • 少しだけ補足すると、B社が、A社を含む複数社分の経費を一括して立替払いしている場合、原則として、B社は適格請求書をコピーしなければなりません(複数社分の立替払いなので、みんなに請求書を配れない)。ただ、「コピーが大量でめんどくさかったら、コピーしなくていいよ」という取扱いもあるということです。

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    2. 立替払いを行う側の事業者の立場

    上記の取扱いについて、立替払いを行う側の事業者(B社)の立場で考えると、複数社のために立替払いしている場合には、当然ながら交付すべき立替金精算書も複数になります。

    この場合、立替払いした金額(もう少し言うと、適格請求書に記載された対価の額や消費税額等の額)を、複数社に割り振って、立替金精算書上も区分する必要があります。

    そうすると、主に端数処理の関係で、必ずしも各社の負担割合に応じた対価の額や消費税額等の額をうまく割り振れないことがありえます。

    これが問題の所在です。

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    3. 立替金精算書における端数処理

    この点、国税庁の軽減税率・インボイス制度対応室長の人が税務通信でコメントしてました(3722号です。その他、細かな点が色々あるので、読んでみたほうがいいかも)。

    この場合の取扱いとしては、「立替金精算書等にインボイスを基礎として合理的な方法で算出した消費税額等を記載して作成されている限り、特段の問題はありません」とのことです。

    ふぅーんという感じですが、私は正直ロジックなんかもよくわからないので、実際の記事をご確認ください。

    なお、最近の傾向として、細かなことはだいたいセーフになってるような気がします。

    4. 国税庁Q&Aにおける明確化(2022年11月追記)

    上記の取扱いについては、2022年11月の改訂により、国税庁のQ&Aでも明確化されています。

    その内容をさっぱり書くと以下のような感じです(上記と同じです)。

  • 立替金精算書に記載する「消費税額等」については、課税仕入れの相手方から交付を受けた適格請求書に記載された消費税額等を基礎として、立替払いを受ける者の負担割合を乗じて按分した金額によるなど合理的な方法で計算した「消費税額等」を記載する必要がある
  • 立替金精算書に記載する複数の事業者ごとの消費税額等の合計額が適格請求書に記載された「消費税額等」と一致しないこともありえるが、この消費税額等が合理的な方法により計算されたものである限り、当該立替金精算書により仕入税額控除を行うこととして差し支えない
  • 今日はここまでです。

    では、では。

    ■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

     

    インボイス制度に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。紹介記事はこちら)。

     

    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

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