会計英語③ 「資産計上する」&「費用処理する」を英語で
引き続き、「話すときに使いやすい会計英語シリーズ」です。
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資産計上 vs. 費用処理
何らかの支出について、資産計上するか、費用処理するか、みたいな議論ってありますよね。例えば、日本だと「資本的支出 vs. 修繕費」のお話とか。
この場合の「資産計上する」または「費用処理する」って英語で何というのでしょうか?
1. 「資産計上する」を英語で
まず、「~を資産計上する」は、to capitaliseです。
なので、Aという支出があって、それが資産計上されるのであれば、以下のように表現します。
(Aは資産計上される)
例えば、開発費が資産計上されるなら、以下のように言います。
(開発費は資産計上される)
なお、capitaliseという用語、資産計上は何でもかんでも指すものじゃなくて、資産計上することで費用の認識を遅らせる(to delay the recognition of expenses)ようなタイプのものだと思います。
capitaliseかcapitalizeか
ちなみに、capitaliseと書くのはイギリス英語で、capitalizeと書くのはアメリカ英語です。
IFRSの英語は基本的にイギリス英語なので(たぶん)、会計という分野に限っては、イギリス英語を使ってもそんなに嫌な印象は与えないと思います。
個人的には、ずっと昔にイギリスでホームステイをしたときに、英語を教えてもらった先生(おばあちゃん)から、「絶対正しい(=イギリスの)英語を使い続けなさいよ」と強く言われたので、今でもその教えを守って、できるだけイギリス英語を使っています。
なので、おかしいなと思いながらもcentreと書きますし、1階はもちろんground floorです。
2. 「費用処理する」を英語で
話を戻すと、「~を費用処理する」のほうは、to expenseです。
expenseって、普通の英語だと「費用」という意味の名詞で使うのですが、会計の英語だと動詞で使うこともできます。
個人的には、喋っているときはto expenseにoffを付けて、to expense offという言い方もよくします。「動詞ですよ」というのをはっきりさせてるんでしょうか(自分でもよくわかりません)。
なので、Aという支出があって、それが費用処理されるのであれば、以下のように表現します。
(Aは費用処理される)
例えば、研究費が費用計上されるなら、以下のように言います。
(研究費は費用処理される)
be charged to expenseのほうが正確かも
あるいは、ちょっと長くなりますが、「費用にチャージされる」というニュアンスで、以下のようにも言えます。こっちのほうが正確かもしれません。
(Aは(発生時に)費用処理される)
ちなみに、括弧書きのas incurredというのは、as it is incurredの略で、「それが発生したときに」という意味合いです。
こんな感じで表現の数が増えていくと、より自然な感じで話ができるのではないでしょうか。
3. まとめ:「資産計上後に費用処理される」を英語で
まとめると、Aという支出があって、それがいったん資産計上されたうえで、徐々に費用処理されていくのであれば、以下のように表現できます。
(Aは資産計上され、時の経過とともに費用化される)
ちょうど減価償却(depreciation)のようなイメージですね。
こんな感じで、セットで覚えてもらえると便利だと思います。
なお、以前にもお伝えしましたが、みんな使う英語にはクセのようなものがあって、このシリーズは、私がこういう表現をずっと使っている、というレベルのものです。なので、「これで通じる」ということは、ある程度保証できますが、ちゃんとした英語は、ちゃんとした本で勉強して頂ければと思います。
今日はここまでです。
では、では。
「Aは資産計上される」
➡ A is capitalised [capitalized].
「Aは費用処理される」
➡ A is expensed off.
「Aは(発生時に)費用処理される」
➡ A is charged to expense (as incurred).
「Aは資産計上され、時の経過とともに費用化される」(減価償却のイメージ)
➡ A is capitalised and expensed over time.
「(1) 単語を覚える → (2) 単語の組み合わせを覚える → (3) 英語を書く →(4) 英語で話す」の4段階に分けて、英語の勉強法(やオススメの書籍など)について書いています。
公認会計士が会計の英語を勉強したときの経過(4段階)
上記の段階に沿って、実際に私がどうやって英語の勉強をしてきたかを書いています。また、この記事の番外編では、「家出のドリッピー」的教材についても考察(?)しています。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
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