インボイス制度:取引先の登録番号の効率的な確認方法
今週は、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)のことを書いてます。
2023年4月に国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」が改訂されたので(詳細はこちら)、そこで新たに追加された項目について。
今回のテーマは、取引先の登録番号の効率的な確認方法です。
Table of Contents
1. 期待させる「質問」
これ、今回のQ&Aの改訂で真っ先に読んだ項目です。
国税庁が考える「登録番号の効率的な確認方法」とは? 興味がありますよね。
実際のQは、以下のとおりです。
当社は取引先が多いため、登録番号の有効性の確認を効率的に実施したいと考えています。どのような方法がありますか。
一般的なお悩みだと思います。期待が膨らみます。
2. 国税庁の「回答」は…
これに対する回答ですが、Q&Aで「登録番号の有効性を効率的に確認する方法」として挙げられているのは、以下の方法です。
- 「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」のWeb-API 機能または公表情報ダウンロード機能を利用する
- これらの機能に対応している会計ソフト等を導入する
なるほど、なるほど。
知りたいのは、登録番号のデータを取得した後の話なのですが、その点については何も…
3. Web-API機能
なお、Web-API機能については、以下のような解説が付いてます。
利用者の皆様が保有するシステムからインターネットを経由して、簡単なリクエストを送信していただくことで、指定した登録番号で抽出した情報、指定した期間で抽出した更新(差分)情報を取得するための、システム間連携インターフェース(データ授受の方式)を提供するものです。
ちなみに、APIはApplication Programming Interfaceの略です。
あと、「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」の検索機能に対して、いわゆるスクレイピングなど、プログラムを用いて公開している情報を取得する行為については、サイトの利用規約上禁止しているそうです。
Web-APIがあるのに、わざわざスクレイピングをやる理由はよくわからないのですが、素人にはわからない深遠な世界なのかもしれません。
結局、登録番号の効率的な確認方法はわからないまま、今日はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。