海外子会社管理支援という公認会計士のお仕事
今日も雑談です。
Table of Contents
1. 海外子会社管理支援というお仕事
昨日、『これだけは押さえておこう 海外子会社管理の会計・税務・財務ケース50』のことを書きました。
本の内容そのままですが、今日は海外子会社管理支援というお仕事について書きます。忘れかけていたのですが、普段の仕事内容を書いている途中だったので。
一般的な業務内容かどうかはよくわかりませんが、私にとってはメインのお仕事です。
2. ご依頼頂く経緯は様々
そもそも「海外子会社管理の支援を依頼しよう」と思いつくような分野ではない気がするので、私がこのタイプのお仕事をご依頼頂いた経緯も様々です。
主にはセミナーにお越しくださって、キャラを気に入って頂いた(?)ケースと、海外での買収のお手伝いをして、そのまま自然な流れで(PMI的に)新規子会社の管理をサポートさせて頂いたケースが多いとは思います。
ただ、全然関係ないところで、現地に(タックス・ヘイブン対策税制の)資料依頼をしていて、現地の担当の方と相性がいいということで、なぜかそのままお仕事を頂いたりなんかも。なので、ほんと様々です。
3. 海外子会社管理支援の内容
(1) 海外子会社に関することなら何でも
海外子会社管理支援というとカッコいいですが、実態は「よろず相談」という感じです。カバーするのは「海外子会社が関係することなら何でも」です。
そういう意味では、本当に幅広い業務だと思います。実際にお話する相手も幅広くて、色々な部門の担当の方々のほか、取締役や監査役とお話することもよくあります。もちろん、日本語だけじゃなくて、海外子会社の担当の方とは英語でしゃべります(特に急ぎのときや複雑な事情があるとき)。
海外に子会社があれば、色々と問題が起きるのが普通です。それは連結財務諸表に影響する問題であったり、移転価格税制に関係する問題であったり。また、意味なく現地に資金が溜まっていることもあれば、不正っぽい取引が見つかることもあります。
でも、それ以前の問題として、海外との取引の場合、単なる送受金の段階から、租税条約のことを考えたり、源泉徴収の要否を判断したり、外国税額控除の問題を検討したり、ということも必要になってきます。
日本側の管理部門の方たちを見ていると、「その人員でよくそこまでやってるなあ」と感心することも多いです。
(2) 全体像を明らかに
考えるだけでもしんどいですが、そういう幅広い分野について、「全体像を明らかにすること」や「それを前提として業務の振分けをサポートすること」が私の大きな仕事の1つだと思っています。
例えば、何かテーマがあったら、要検討事項が会計の問題なのか、税務の問題なのか、現地側の問題なのか、日本側の問題なのか、等々の振り分けを考える必要があります(実際には、法務の問題も)。
また、日本側の問題(連結財務諸表や日本の税制上の問題)は基本的に私が対応できますが、現地側の問題(主に現地の税制上の問題)は専門家に関与してもらうかどうかも考えなければなりません。具体的には、海外子会社が普段やり取りしている会計事務所で足りるのか、ちょっとコストはかかっても、大手にお願いしたほうがよいのか。そのあたりを日本側の管理部門の方々と相談するイメージです。
4. 海外子会社管理支援のメリット
次に、海外子会社管理支援をご依頼頂くことのメリットですが… 書こうとしたものの、よくわかりませんでした(笑)
現地に駐在員がいないとか、日本側に管理のためのリソースないとか、そういうケースは、あからさまに日本側の管理機能を代替しているので、メリットもわかりやすいです。
でも、それ以外のケースでは、どうなんでしょう? 非常時の対応なんかで安心感があったり、「外部の専門家(=私)がそう言ってる」みたいに社内の説得にうまく使ってもらったり、そういうところはあるのかなと思いますが… まあ、また考えておきます(笑)
5. 適当な力加減で
ちなみに、海外子会社管理の本を書いておいて、こんなことを言うのも何なんですが、この分野は「まあこんなもんでいいんじゃないですか」みたいな力加減が大事です。
思い返してみると、日本側の管理部門の方とそういう話をしているケースは多いような気がします。やらなすぎると危険だし、やりすぎるとコスト倒れになるし、そのあたりのバランスの見極めが難しいのかもしれませんね。
何かよくわからない内容になりましたが、今日はここまでです。
業務内容に関するお問い合わせは以下からお願いします。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。