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佐和周のブログ

監査役監査

特定監査役とは

今月は、日本監査役協会さんのセミナーがあるので(詳細はこちら)、少しの間、監査役監査のことを書いてます(お断りなどはこちら)。

今回は、特定監査役について、さっぱり書きます。

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1. 特定監査役とは

全然重要な内容ではないのですが、特定監査役というのは、私がよく忘れる用語なので書いています(笑)

会計監査人設置会社についていうと、特定監査役というのは、会計監査人から監査結果の報告を受け、(特定)取締役に対して監査報告の内容を通知する監査役です。

シンプルには、取締役や会計監査人との間で書類のやりとりをする監査役ですね。

ここからは、会計監査人設置会社を前提とします。

(1) 会計監査人から監査結果の報告を受領

まず、特定監査役は、会計監査人から監査結果の報告を受ける監査役です(特定取締役とともに)。

すべての監査役に対して報告・通知を行うことは面倒なので、会計監査人としては、特定監査役だけに報告すればOKという建付けになっています。

会社計算規則に規定があるので、監査役会設置会社のところだけ以下に抜粋します。

(会計監査報告の通知期限等)
第百三十条 会計監査人は、次の各号に掲げる会計監査報告の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定監査役及び特定取締役に対し、当該会計監査報告の内容を通知しなければならない
(中略)
5 第一項及び第二項に規定する「特定監査役」とは、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者とする(以下この章において同じ。)。
(中略)
二 監査役会設置会社 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める者
イ 監査役会が第一項の規定による会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めた場合 当該通知を受ける監査役として定められた監査役
ロ イに掲げる場合以外の場合 全ての監査役

(以下略)

下線部分のとおり、特定監査役を定めるかどうかは任意です。

ただし、特定監査役を定めない場合、すべての監査役が特定監査役になります。

そうすると、すべての監査役に対して書類の受渡しを行う必要が出てくるので、特に忙しい時期(監査報告書等の受渡しの時期)は、面倒に感じるんじゃないでしょうか。

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(2) 取締役に対して監査報告の内容を通知

また、特定監査役は、特定取締役(及び会計監査人)に対して監査報告の内容を通知する監査役でもあります。

会社計算規則に規定があるので、監査役会設置会社のところだけ以下に抜粋します。

(会計監査人設置会社の監査役等の監査報告の通知期限)
第百三十二条 会計監査人設置会社の特定監査役は、次の各号に掲げる監査報告の区分に応じ、当該各号に定める日までに、特定取締役及び会計監査人に対し、監査報告(監査役会設置会社にあっては、第百二十八条第一項の規定により作成した監査役会の監査報告に限る。以下この条において同じ。)の内容を通知しなければならない
一 連結計算書類以外の計算関係書類についての監査報告 次に掲げる日のいずれか遅い日
イ 会計監査報告を受領した日(第百三十条第三項に規定する場合にあっては、同項の規定により監査を受けたものとみなされた日。次号において同じ。)から一週間を経過した日
ロ 特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日があるときは、その日
二 連結計算書類についての監査報告 会計監査報告を受領した日から一週間を経過した日(特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日がある場合にあっては、その日)
(以下略)

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2. まとめると

以上をまとめると、特定監査役というのは、会計監査人から監査結果の報告を受け、特定取締役に対して監査報告の内容を通知する監査役ということになります。

特定監査役の選定により、そういうやり取りを効率的に行えるようになるということで。

今日はここまでです。

では、では。

監査役監査に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。軽い紹介記事はこちら)。

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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