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電子帳簿保存法

電子帳簿保存法:スキャナ保存制度の対象書類とは

今日も電子帳簿保存法におけるスキャナ保存制度のお話です。

今回のテーマは、スキャナ保存制度の対象書類です。

つまり、どのような書類がスキャナ保存の対象になるか、というお話です。

0. この記事のポイント

スキャナ保存の対象は、国税関係書類のうち、規則第2条第4項に規定する書類(=棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの計算、整理または決算関係書類)「以外」のものです。スキャナ保存の対象には、契約書・領収書・請求書などが含まれます。一方、帳簿(国税関係帳簿)はスキャナ保存の対象外です。

 

 

1. 国税関係帳簿・国税関係書類・国税関係帳簿書類とは

まずは用語の整理から始めます。

電子帳簿保存法の関係では、「国税関係帳簿」・「国税関係書類」・「国税関係帳簿書類」などの用語が登場します。

まず、「国税関係帳簿」とは、要は「帳簿」です。具体的には、国税に関する法律の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿をいいます。

「国税関係書類」とは、要は「書類」です。具体的には、国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類をいいます。例えば、請求書や領収書がこれに該当し、ちょっと違いますが、「証憑書類」というイメージでいいんじゃないでしょうか。

「国税関係帳簿書類」とは、上記をセットにしたもので、国税関係帳簿または国税関係書類をいいます。

要は、「帳簿」・「書類」・「帳簿または書類」ということです。

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2. スキャナ保存制度の対象書類

スキャナ保存の対象を一言でいうと、上記の「国税関係書類」のうち、規則(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則)第2条第4項に規定する書類「以外」のものです。

3. スキャナ保存制度の対象外(帳簿や決算関係書類)

ここから言えることは2つです。

1つは、帳簿(国税関係帳簿)がスキャナ保存の対象外であることです。これはいいんじゃないでしょうか。

もう1つは、書類のうち、規則第2条第4項に規定する書類がスキャナ保存制度の対象外であることです。ちなみに、これは、具体的には棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの計算、整理または決算関係書類を指します。

まとめると、以下のような感じです。

(出典:国税庁 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)【スキャナ保存関係】 問2)

 

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4. スキャナ保存制度の対象書類

したがって、これ以外の国税関係書類がスキャナ保存の対象ということになります。

なので、めっちゃ幅広いですが、国税庁のQ&A(一問一答)における例示は、以下のような感じです。

(出典:国税庁 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)【スキャナ保存関係】 問2)

 

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5. 伝票はスキャナ保存の対象か

ちなみに、伝票はどうなん?という疑問があるかもしれません。

売上伝票などの伝票類は、そもそも国税関係書類に該当しません。

したがって、スキャナ保存の適用はありません。

今日はここまでです。

では、では。

電子帳簿保存法に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。第2版の紹介記事はこちら)。

第3版 電子帳簿保存法の制度と実務(Amazon)

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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