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グローバル・ミニマム課税

グローバル・ミニマム課税:選択適用の調整項目① 連結等納税規定の適用がある場合の個別計算所得等の金額の計算の特例

いまは不定期でグローバル・ミニマム課税について書いています(全体の構成はこちら)。

今回は、選択適用が認められる調整項目の1つ目で、連結等納税規定の適用がある場合の個別計算所得等の金額の計算の特例について。

 

1. 調整内容要約

まず、さっぱりと調整内容を書くと、以下のとおりです。

調整の対象:国内グループ内取引に係るあらゆる収益・費用
調整の概要:個別計算所得等の金額の計算において、当期純損益金額に係る上記収益・費用を除外する調整
選択:国別・5年
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2. 連結等納税規定の適用がある場合の個別計算所得等の金額の計算の特例

この特例は、構成会社等に連結等納税規定(連結納税制度・グループ通算制度・グループリリーフ制度など)が適用される場合の話です。

そして、選択適用が認められる調整の内容としては、「個別計算所得等の金額の計算にあたり、国内のグループ内取引に係る収益や費用を含まないものとする」というものです。

具体的には、除外の対象になるのは「国内構成会社等間取引」であり、これは構成会社等と同一所在地国の他の構成会社等との間で行われる取引(資本等取引以外)を意味します。

また、上記のとおり、この特例は国別の5年選択とされています。

3. 特例の趣旨

グローバル・ミニマム課税から離れて考えると、連結等納税規定が適用される場合、その国の課税所得は、ある意味で国内のグループ内取引に係る収益や費用を除外して計算されます。

一方で、グローバル・ミニマム課税における個別計算所得等の金額は、特に国内のグループ内取引に係る収益や費用を除外して計算されるわけではありません(そういう必須の調整項目はありません)。

そうすると、(国別)実効税率の分母子がズレることになります。

これを解消するために、連結等納税規定の適用を受ける場合、個別計算所得等の金額の計算にあたり、国内のグループ内取引に係る収益や費用を除外して計算する選択が可能になっているということです。

イメージとしては、分母を分子に合わせる感じだと思います。

今回はここまでです。

では、では。

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。社外監査役(東証プライム&スタンダード上場企業)。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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