健康診断や人間ドックの費用負担と給与課税(源泉徴収)
今週は、給与課税(源泉所得税)のことを書いています。
今回は、健康診断や人間ドックの費用負担について。
Table of Contents
1. 健康診断の費用負担と給与課税の有無
まず、役員や従業員の定期健康診断について、会社が医療機関と契約し、その費用を支払っている場合、従業員等は経済的利益を受けていることになります(理屈としては)。
しかしながら、通達で、この経済的利益については、以下の場合を除いて、課税しなくて差し支えないこととされています。
- 経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合
- 役員だけを対象として供与される場合
なので、通常の健康診断の受診内容で、従業員等の全員に適用されるものであれば、多くの場合、非課税の取扱いで問題ないと思います。
2. 人間ドックの費用負担と給与課税の有無
通達における取扱いは、人間ドック費用についても当てはまります。
例えば、国税庁の質疑応答事例では、以下のような人間ドックによる検診について、会社が負担した検診料相当額を給与等として課税する必要はないとしています。
- 社内規程を設け、役員及び使用人の健康管理の目的で、全員について春秋2回定期的に健康診断を実施している
- それに加えて、成人病の予防のため、年齢35歳以上の希望者の全てについて2日間の人間ドックによる検診を実施している
- この検診は、会社と契約した特定の専門医療機関においてベッド数が確保できる範囲内で順次実施し、その検診料を会社で負担することとしている
そこでも念押しされていますが、役員や特定の地位にある人だけを対象として費用負担するような場合は課税扱いになります(給与等として源泉徴収が必要です)。
なので、一定年齢以上の希望者は全て検診を受けることができ、かつ、検診を受けた者の全てを対象としてその費用を負担する等々がポイントになるのだと思います。
3. 消費税に関する取扱い
健康診断費用や人間ドック費用に係る消費税の取扱いについては、以下の記事をご参照ください。
今日はここまでです。
では、では。
この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。