時価算定会計基準におけるインプットとは
今日も会計のことを書きます。
時価算定会計基準における「インプット」について。
Table of Contents
1. インプットとは
時価算定会計基準における「インプット」とは、市場参加者が資産(または負債)の時価を算定する際に用いる「仮定」をいいます。
2. インプット-評価技法→アウトプット
例えば、金利を使って金利スワップの時価を算定するなら、その金利がインプットです。
同じく、先物為替相場を使って為替予約や通貨スワップの時価を算定するなら、その先物為替相場がインプットです。
そして、それに対応する金融商品の時価がアウトプットということで。
間には何らかの評価モデルや評価技法があると考えればいいですよね。
つまり、「インプット(金利)―評価技法→アウトプット(金利スワップの時価)」という関係です。
インプットとアウトプットの関係というのは、ある程度理解しやすいのではないでしょうか。
3. インプット=相場価格の場合も
ただし、インプットには、相場価格(を調整せずに時価として用いる場合のその相場価格)も含まれます。
例えば、証券取引所における株式の取引価格もインプットです。
つまり、「インプット=時価」という状況もあり得るわけで、このあたりが概念としてややこしいところでしょうか。
4. 観察可能なインプットと観察できないインプット
このインプットは、「観察可能なインプット」と「観察できないインプット」により構成されます。
観察できないインプット…観察可能な市場データではないが、入手できる最良の情報に基づくインプット
「観察」とか独自の日本語表現なので、ややこしいのですが、要は「市場データなのかどうか」という観点での切り分けだと思います(知らんけど)。
5. インプットが観察可能な市場
ただ、ここでいう「市場」は取引所に限られません。
インプットが観察可能となる可能性のある市場として、以下が例示されています。
ディーラーがいても、ブローカーがいてもいいのですが、「相対市場」って何?
私の中では、市場を通さないのが相対取引という整理だったので、結構新鮮でした。
今日はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。