企業(納税者)にとってのインボイス制度のメリット(消費税)
今週は、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)がテーマです。
あんまり難しい話じゃなくて、研修の際に頂いたご質問(素朴な疑問)のことを書いています。
Table of Contents
1. 予期せぬ質問
今回は、「インボイス制度は企業にとってどういうメリットがありますか?」というご質問です。
これは購買部門の方から頂いたものです。
私は割と即答派(?)なのですが、このご質問には思わず「うーん」と唸ってしまいました。
2. インボイス制度のメリット
一通り考えて、そのとき捻りだした答えは…
「ないと思います」でした。
なぜかウケました(笑)
3. 事務負担増のみ
インボイス制度の目的(建前)は複数税率への対応ですが、軽減税率制度の施行は2019年なので、実に4年の準備期間が与えられたことになります。
逆にいうと、それだけ現行制度からの切り替えに事務負担(=コスト負担)を伴う(ことを政府が認識している)ということなんでしょうね。
企業として、それだけのコストをかけて、制度に対応した結果どうなるかを考えると…
別に何のメリットもないですよね。
免税事業者は当然として、課税事業者であっても、現状より有利になることはないですし。
なので、単純に事務負担が増すだけなんじゃないでしょうか。
ということで、「国にとってメリットはあっても、別に企業には何のメリットもない」というのが私の結論です。
とはいえ、「この機会を前向きに捉えて、積極的に対策を進めていきましょう!」みたいに、企業にとってのメリットを熱く語れる人はいるかもしれないので、そういう人に詳しく聞いてもらえればと思います。
今日はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。