グローバル・ミニマム課税:選択適用の調整項目④ 除外資本損益に係る個別計算所得等の金額の計算の特例

いまは不定期でグローバル・ミニマム課税について書いています(全体の構成はこちら)。
今回は、選択適用が認められる調整項目の4つ目で、除外資本損益に係る個別計算所得等の金額の計算の特例について。
Table of Contents
1. 調整内容要約
まず、さっぱりと調整内容を書くと、以下のとおりです。
調整の概要:上記損益を個別計算所得等の金額に含める調整
選択:国別・5年
除外資本損益については、こちらに書いていますが、端的には、ポートフォリオ株式以外の株式に係る評価損益や譲渡損益です。
2. 除外資本損益に係る個別計算所得等の金額の計算の特例
この特例は、除外資本損益を計上している場合の話です。
以前書いたとおり、除外資本損益については、当期純損益金額に加減算することで、個別計算所得等の金額から除外する調整を行います。これが前提です。
この特例により選択適用が認められる調整の内容としては、「除外資本損益のうち一定のものについては、上記の(つまり、個別計算所得等の金額から除外する)調整の対象外とすることができる」というものです。
この特例は、「資本損益合算選択」と呼ばれていますが、要は資本損益を除外しないという意味合いですね。
また、上記のとおり、この特例は、国別の5年選択とされています。
3. 特例の趣旨
特例の趣旨は、例によって、(国別)実効税率の分母子を合わせるイメージだと思います。
というのも、この特例における調整の対象となる除外資本損益のうち一定のものというのは、シンプルにいうと、構成会社等の課税所得の計算に含まれるものなので、そういうものは分母に反映しておいたほうが、実効税率が歪みにくいということだと思います(たぶん)。
今回はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。社外監査役(東証プライム&スタンダード上場企業)。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。