グローバル・ミニマム課税:特定多国籍企業グループ等とは

いまは不定期でグローバル・ミニマム課税について書いています(全体の構成はこちら)。
今回は、特定多国籍企業グループ等の定義について。
Table of Contents
1. 特定多国籍企業グループ等
前々回は「企業グループ等」、前回は「多国籍」企業グループ等、今回は「特定」多国籍企業グループ等です。
グローバル・ミニマム課税が適用されるのは、基本的にこの「特定多国籍企業グループ等」です。
前提として、企業グループ等は、単純には最終親会社に係る企業集団で、その所在地が2か国以上にまたがると「多国籍」企業グループ等に該当します。
そして、「特定」多国籍企業グループ等とは、多国籍企業グループ等のうち、各対象会計年度の直前の4対象会計年度のうち2以上の対象会計年度において、その総収入金額が7億5,000万ユーロ(を円換算した金額)以上であるものを指します。
この場合の円換算の際に使うレートは、対象会計年度開始の日の属する年の前年12月における「欧州中央銀行によって公表された外国為替の売買相場の平均値」です。
そのレートが160円前後だとすれば、7.5億ユーロで1,200億円弱のイメージでしょうか。
2. 総収入金額
上記の総収入金額の範囲としては、例えば、売上高のほか、受取利息、有価証券利息、受取配当金、有価証券売却益、為替差益、貸倒引当金戻入益、持分法による投資利益、固定資産売却益及び負ののれん発生益の科目など、連結等財務諸表における全ての収益の額が含まれます。
3. まとめると
今回を含む3回分を超単純化してまとめると、以下のような感じです。
(2) 多国籍企業グループ等…(1)の所在地国が2か国以上
(3) 特定多国籍企業グループ等…(2)の総収入金額が7.5億ユーロ(≒1,200億円)以上
今回はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。社外監査役(東証プライム&スタンダード上場企業)。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。