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インボイス制度:1人当たり5,000円以下の接待飲食費の判定との関係

消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について、ここ数か月の議論のアップデートです。

今回のテーマは、1人当たり5,000円以下の接待飲食費の判定です。

税務通信(3765号)に解説があるので、詳細についてはそちらをどうぞ。

 

1. 1人当たり5,000円以下の接待飲食費

これは法人税のほうのお話ですが、得意先等への接待で1人当たり5,000円以下の飲食費については、交際費等に該当しないこととされています(書類の保存要件あり)。

この5,000円以下の判定は、税抜経理の場合は税抜金額で判断します。

税務通信の記事にあったのは、「インボイス制度導入後は、5,000円基準の判定に注意が必要」という内容です。

ポイントは基本的に昨日と同じで、免税事業者の(適格請求書発行事業者以外の)お店で飲食等を行った場合、5,000円以下の判定に際して、仕入税額控除の対象外になる部分を本体価格に含める必要があるという点です。

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2. 適格請求書発行事業者である飲食店で飲食等を行った場合

少し整理すると、まず、適格請求書発行事業者である飲食店で飲食等を行った場合、判定は従来と同じです。

つまり、「税抜金額÷参加人数」で5,000円以下の判定を行うということです。

3. 適格請求書発行事業者ではない飲食店で飲食等を行った場合

問題は、免税事業者など、適格請求書発行事業者ではない飲食店で飲食等を行った場合です。

この場合、仮に領収書に消費税額が記載されていたとしても、その消費税額らしきものも本体価格に含めて、「÷参加人数」で5,000円以下の判定を行うのが原則です。

ただし、経過措置で仕入税額相当額の80%とか50%が仕入税額控除の対象になる場合には、仕入税額控除の対象外の部分(=残りの20%とか50%)のみを本体価格に含めることになります。

今日はここまでです。

では、では。

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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