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インボイス制度:営業部門で必要な対応をごく簡単に

引き続き消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)のことを書きます。

昨日は購買部門のことを書いたので、今日は営業部門におけるインボイス制度対応について。

 

1. 経理部門と営業部門の関係

勉強会なんかでお話ししていると、営業部門の方々は、ことインボイス制度への対応に関しては、購買部門に比べるとピリピリしてない印象です。

言い方は悪いですが、インボイス制度には適度に興味が無さそうで、いい感じです。

自部門または個人の評価対象となる指標に全神経を集中し、特にそれを隠さないスタンスは、清々しくて割と好きです。

2. 営業部門は何が大変なのか

ここからは、自社が課税事業者で、適格請求書発行事業者の登録を行った(行う予定の)状況を前提とします。

この場合、営業部門に求められる対応は、端的には、得意先に対してちゃんとした「適格請求書」を発行することです。なので、請求書のフォーマットや端数処理のことなんかは、一応考えておかないといけないですね。

私のように外から見ていると、請求書のフォーマットを見直すのは、そんなに難しくなさそうに思えるのですが、現状の請求書のフォーマットが部門ごとに異なる場合などは、対応が大変そうです。まずは、どの部門でどのような請求書を交付しているかを洗い出す必要があるということで。

また、一応は返品や値引きなどの際の適格返還請求書など、新たに対応が必要な事項もあります。

そんな感じなので、実際には、システム対応が必要になることも多そうです(私は絶対にタッチしませんが)。

勉強会などでそういうことを伝えると、営業部門の方々は表面的にはニコニコされていますが、内心は「うぜえ」と思ってるんだろうなと想像しています(失礼)。ただ、少なくとも「ちゃんと対応しないと、得意先に迷惑がかかる」という点は、よく理解してくださる印象です。

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3. 営業部門で把握すべき情報(事前対応)

営業部門に求められる事前対応としては、現状、得意先とどういう証憑書類をやりとりしているかを把握することくらいでしょうか。すでに先方から問い合わせが来ているケースも多いみたいですね。

あまり踏み込む必要はないかもしれませんが、得意先がどういう証憑書類をもとに仕入税額控除を行っているかは知っておいたほうがいいかもしれません。

得意先の仕入税額控除の基礎資料として、大きな分類は、自社が請求書等を発行しているか、得意先から仕入明細書を受け取っているかです。

自社が請求書等を発行している場合、自社フォームなので、対応はラクです。ただ、上記のとおり、各部門で別々のフォーマットだったり、小さな取引で領収書を発行していたり、結構バリエーションがあるようなので、そのあたりの対応は必要になります(例えば、以下を把握する必要あり)。

  • 得意先にどういう証憑書類を交付しているか(例えば、請求書や領収書など)
  • 請求書等は紙か電子データか
  • 請求書等の作成はシステムで行われているか
  • 相手方の仕入税額控除は1つの証憑書類で可能か(例えば、請求書のみ)、あるいは複数書類を組み合わせる必要があるか(例えば、納品書と請求書)
  • 要は、自社の請求書が「適格請求書」の要件を満たすかどうかチェックしたうえで、何をもって「適格請求書」とするか、事前に得意先と合意しておけばいいと思います。

    全般的に、購買部門よりはラクそうですが、システム対応に巻き込まれる場合などは、そうでもないかもしれません。

    今日はここまでです。

    では、では。

    ■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

     

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    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

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