電子帳簿保存法:インターネット・バンキングによる振込等は電子取引に該当するか
電子帳簿保存法における電子取引の制度のお話です。
今回は、2022年6月に改訂された「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」の関係で、インターネット・バンキングを利用した振込等について書きます(一問一答の改訂自体についてはこちら)。
Table of Contents
0. この記事のポイント
1. インターネット・バンキングを利用した振込等は電子取引に該当
まず、インターネット・バンキングを利用した振込等は、EDI取引として電子取引に該当します。
別途、取引情報の正本が郵送されるケースなどは別ですけど。
2. 保存すべきデータ
電子取引に該当する場合、電子帳簿保存法上、データの保存が必要になります。
この場合に保存すべき電子取引の取引情報に係るデータは、金融機関の窓口で振込等を行ったとした場合に受領する書面の記載事項(具体的には、以下)が記載されたデータ(電磁的記録)です。
具体的には、そのデータや画面をダウンロードする、または印刷機能等によってPDFファイルを作成する等の方法によって保存すべきこととされています。
3. 振込依頼の受付画面の取扱い
当たり前といえば当たり前ですが、Q&A(一問一答)では、「振込依頼を受け付けた旨」のみが画面に表示される場合、その旨が記載された電磁的記録(または画面)の保存は不要とされています。
この部分は取引情報には該当しない(取引に関して受領し、または交付する書類に通常記載される事項ではない)ためです。
要は、もともと出力書面等を保存する必要がなかったものは、電子帳簿保存法上、データも保存しなくていいということですね。
ちなみに、インターネット・バンキング(の振込手数料)に関して、消費税のインボイス制度における取扱いについては、以下の記事をご参照ください。
今日はここまでです。
では、では。
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佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。