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第206回 一時差異が発生・解消するときの税引前利益と法人税等の対応

第206回は、一時差異が発生したり、解消したりしたときの税引前利益と課税所得(法人税等)の関係を見ていきます。この点が理解できれば、将来減算一時差異に係る繰延税金資産の話ができそうです。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

前回は、会計と税務のズレの話をしたよね。一時差異というか。

 

うん。タイミングがズレるやつ。

そうだね。今日はその続きだけど、前回の貸倒引当金の例をもう一度使おう。貸倒引当金を設定した最初の期は、その繰入れに伴う費用が100あって、それを引いた後の税引前利益が200だった。100はその時点では損金不算入だから、課税所得は

 

300だった。

正解。じゃあ、税率30%として、法人税等はいくら?

 

90

そうだね。じゃあ、税引前利益200で、法人税等が90だから、税引後利益は

 

110

正解。表にするとこんな感じかな。

 

うん、うん。イメージどおり。

でも、税引前利益が200で、税率が30%だったら、法人税等って…

 

法人税等は60になりそう。でも、実際には90だから、それよりも30多い。

その原因は貸倒引当金の繰入れ100がその時点では損金算入されないからだよね。

 

うん。それしかないよね。

じゃあ、その翌期を考えて。前回の設定だと、この期に得意先が本当に倒産して、100の売掛金が貸し倒れた、言い換えると、貸倒損失として確定した。でも、引当済みだから、会計上の費用は発生しない。結果、翌期の税引前利益は300だったとする。課税所得はいくら?

 

200だよね。税務上は貸倒損失の100がマイナスされるから。

じゃあ…

 

法人税等でしょ? 60に決まってるじゃん。だから、税引後利益は240

正解。表にするとこんな感じだけど、何が言いたいかわかる?

 

たぶんね。税引前利益が300だから、税率30%を掛けると、法人税等は90になりそう。でも、実際の法人税等は60だから、それよりも30少ない。その前の期と逆ってことでしょ?

そのとおり。1期目は思ったよりも30だけ法人税等が大きくて、2期目は逆に思ったよりも30だけ法人税等が小さいってこと。これは、貸倒引当金の繰入れ、つまり、会計上の費用の計上タイミングと、貸倒損失、つまり、税務上の損金の計上タイミングがズレた結果

 

そうだね。簡単だね。

(笑) じゃあ、見方を変えるけど、貸倒引当金を100繰り入れたときに、将来的には課税所得を100減らせそうだよね? 法人税等を30減らせると考えてもいいけど。将来の税金の軽減効果っていうか。

 

もしお客さんが倒産しちゃったらでしょ?

そう、そう。得意先が本当に倒産するかどうかはわからないから、100%ではないけど、貸倒引当金の繰入れという会計上の費用100は、将来的に貸倒損失という税務上の損金に姿を変えて、課税所得を100減らしてくれそう。

 

ああ、だから、将来の法人税等を30減らしてくれるってことか。

そのとおり。それが将来の税金の軽減効果。これは貸倒引当金の繰り入れ100に伴うもの。この軽減効果は資産として計上されることがある。

 

え? 何で? そうなの?

うん。「繰延税金資産」という資産だね。これを計上する可能性があるのは、さっきの例だと1期目に貸倒引当金の繰入れをしたとき。その時点の税金は減らせないけど、翌期の税金は減らせそう。つまり、その分だけ翌期のキャッシュ・アウトフローを減らせるってこと。売掛金と同じだよね?

 

え? ああ、売掛金は入金が増えるけど、繰延税金資産は出金が減るってこと?

そのとおり。重要なのは、入出金のネット。だから、入金増も出金減も同じこと。

 

それはいいんだけどさー、そもそもなかったことにすりゃいいじゃん。

何を?

 

えーっと、何て言ったらいいのかな… 貸倒引当金の繰入れの分の税金の動きとか。そうしたら、繰延税金資産とか余分な話も出なくなるような気がする。うまく言えないけど。

ああ、そういうことね。貸倒引当金を繰り入れたときに、その100があたかも損金算入されたように処理すればいいってことだよね?

 

うん。それが言いたかったこと。そうしたら、税引前利益と法人税等も予想したとおりの対応になるよね?

1期目も2期目も税引前利益に30%を掛けたら、法人税等になるってことかな?

 

そう。それでいいじゃん。

確かにね。ただ、税務のほうは実際に損金不算入になって、見合いの納税も発生するわけだから、それを無視するわけにはいかない。だけど、結果としては、いまこども君が言ったとおりの形になる。

 

繰延税金資産を計上するから?

ちゃんとわかってはいないんだろうけど、それで正解(笑) これは次回話そう。今回はここまで。

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