1. HOME
  2. ブログ
  3. こども税務
  4. 第205回 会計と税務の差には「永久差異」だけじゃなくて「一時差異」もある

BLOG

こどもCFOブログ

こども税務

第205回 会計と税務の差には「永久差異」だけじゃなくて「一時差異」もある

第205回は、税引前利益と課税所得の差についてもう少し考えます。具体的には、両者の差には、単純なタイミングのズレ、言い換えると、一時差異もあるということを話したいと思います。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

前回は、交際費とか受取配当金の例を見たよね。

 

うん。損金不算入になったり、益金不算入になったり。

そうだね。それが税引前利益と課税所得のズレの原因になるという話も大丈夫かな。

 

うん、もうわかったよ。

じゃあ、そのズレは一時的なものじゃなくて、ずっとズレたままという感覚もわかる?

 

縮まったりしないってこと?

そのとおり。交際費とか受取配当金は、ずっとズレてる。恒常的にズレてるというか、永久にズレたままというか。

 

それならわかる。

でも、項目によっては、一時的にだけズレるものもある。ちょっとややこしいから数字を使おう。いま税引前利益が200だったとする。でも、その200の利益を計算するときには、貸倒引当金の繰入れが100あって、それがマイナスされているとする。

 

100の費用を引いた後の税引前利益が200ってことでしょ?

そう、そう。会計のほうは、費用とか損失が出そうだったら、すぐに引当金を設定するよね。得意先が倒産しそうだったら、貸倒引当金を設定したり。

 

うん、うん。

でも、税務のほうでそれを損金にされたら、税務当局は困るよね?

 

そうだよね。勝手に「得意先が倒産しそう」って予想して、勝手に損金にされたら困ると思う。そうやって課税所得を減らされたら、税金が減っちゃうもんね。

そのとおり。だから、税務のほうは基本的に引当金の繰入れを損金として認めない。その代わり、得意先が本当に倒産して、返ってこないことが確定したら…

 

貸倒損失!

そう、その貸倒損失は損金として認められる。でも、その前段階の貸倒引当金の繰入れはダメだってことだね。

 

わかった。

じゃあ、貸倒引当金の繰入れが100あって、それを引いた後の税引前利益が200だとする。このときって、課税所得はいくらかな?

 

ああ、300ってことか。

正解。じゃあ、もう1期進めよう。翌期の税引前利益が300とする。で、この期に得意先が本当に倒産して、100の売掛金が貸し倒れた。貸倒損失として確定したってこと。そのとき、会計上の費用は?

 

その前の期に貸倒引当金を設定してるから、もう費用は出ないよ。

そうだね。じゃあ、税務上はどうなる?

 

貸倒損失になるから、減る!

所得が減るってことだね。じゃあ、税引前利益が300だとしたら、課税所得はいくらになる?

 

貸倒損失が100だから、所得は200だね。

いま2期で考えたけど、1期目も2期目も貸倒れのことを無視した利益は300だよね?

 

え?

1期目は貸倒引当金の繰入れが100あったから…

 

ああ、だから会計上の利益は200になった。

そうだね。税引前利益は200になった。でも、課税所得は300のまま。

 

損金算入できないからね。

そう、そう。で、2期目は、会計上は貸倒引当金の繰入れがないから、税引前利益は300のまま。でも、税務上は…

 

貸倒損失が100あるから、所得は200。

まとめると、1期目は「税引前利益200 vs. 課税所得300」、2期目は「税引前利益300 vs. 課税所得200」ということで、タイミングがズレてるだけ。表にするとこんな感じだね。

 

ほんまや! そういうことかあ。会計のほうは、先に引当金の形で損になって、税務のほうは、後で貸倒損失の形で損になってる。

そう、そう。だから、交際費の話とは違うよね。

 

ああ、それが言いたかったのか。

うん。交際費の場合、会計上の費用が税務上の損金として認められることはない。永久にズレたまま。でも、貸倒引当金の場合いまこども君が言ったとおり、会計の費用計上が早いだけ

 

1期目に会計は引当金の繰入れがあるけど、2期目に税務は同じ損を貸倒損失にするってことだね。

そのイメージでいいよ。こういう会計と税務の差異を「一時差異」って呼ぶ。

 

一時って?

貸倒引当金を繰り入れてから、貸倒損失が確定するまでの間。逆に交際費みたいな差異を「永久差異」って呼ぶけど、会計と税務の差には「一時差異」もあるってことだね。

 

よくわかった!

じゃあ、今回はここまで。お疲れ様でした。

めざせ!こどもCFOブログの目次はこちら

関連記事

こどもCFOブログ|記事一覧

こどもCFOブログ|アーカイブ

佐和周のブログ

スポンサーリンク