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第200回 会計上の利益と税務上の所得はそもそも全然違う

第200回は、前回までとは話が大きく変わって、法人税の話に入ります。まずは会計上の利益と税務上の所得の違いについてですが、細かな違いを議論する前に、根本的なところから話したいと思います。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

こどもCFOブログももう終盤だけど、どんな話がしたい?

 

税金!

そっか。ファイナンスの話をしてても、税金は出てくるもんね。ちょっとわかりにくいかな?

 

別にそんなことないけど、ちょっと興味がある。

了解。じゃあ、税金の話をしよう。まずは、法人税の話から。

 

個人の税金じゃないってこと?

そうだね。法人というか会社が払う税金の話。いきなりだけど、法人税って、何に対してかかる?

 

収益…じゃなくて、利益!

惜しいね。

 

え? あ、わかった。「所得」って言えばいいのか。

正解。法人税の課税標準は所得だね。まずは利益と所得は明確に区別しないといけない利益というのは、会計の話で、所得というのは、税務の話。いまは税務だから、「所得」または「課税所得」。

 

わかった!

OK。じゃあ、次に進むけど、会計上の利益は、「収益-費用」で計算する。これはいいかな?

 

うん!

じゃあ、税務上の(課税)所得は、「益金-損金」で計算する。これは聞いたことないよね?

 

聞いたことない。利益と所得が違うだけじゃなくて、…何が違うの?

いま途中で質問を端折ったな(笑) 収益と益金、費用と損金、そのそれぞれがどう違うかってことだよね?

 

そういうこと!

シンプルにいうと、ほぼ同じ。税務上の益金は、会計上の収益をベースにしてる。同じく、税務上の損金は、会計上の費用をベースにしてる。だけど、ちょっと違いはある。その細かな違いに行く前に、ちょっと質問。

 

いいよ。

会計上の利益って、誰が計算してる?

 

え? 会計士じゃないの?

難しい言葉を知ってるね(笑) 会社の中に会計士の人がいることはあるけど…

 

そうか。会社が計算してるのか。

(笑) そうだね。会社の中に経理部門という部門があって、そこの人が計算してるね。もちろん、経営者がそれを見てるわけだから、会社の経営者が計算してるって言ってもいいけど。

 

うん、うん。

じゃあ、会計上の利益って、大きく見せたい? それとも、小さく見せたい?

 

そりゃあ、大きいほうがいいでしょ。

だよね。だから、会社が会計上の利益を過大に計上しないように、会社の外部からチェックしてる人たちがいる。そういう仕事自体とか、そういう仕事をしている人たちのこと、何て呼ぶか知ってる?

 

そんな仕事あるの?

あるよ。「監査」って言うんだけど。で、監査をしているのが「監査人」。あと、そういう人たちが集まった「監査法人」っていう会社みたいなものもあるね。

 

「監査」は聞いたことあるけど、そういう仕事だったのか。

そうだね。監査は公認会計士の人たちがやってるよ。「監査」自体はもう少し幅広い概念だけど。より正確に言うなら「会計監査」かな。

 

へぇー。つまらなそう。

(笑) そこは何とも言えない。まあ、構図としては、会社というか、経営者は、会計上の利益を大きく見せたい。でも、監査人がそれを許さない。あとは、仕組みとしても、会計のほうは、引当金みたいに損をできるだけ早く計上させる仕組みがある。なので、利益は小さくなる方向にバイアスがかかる

 

バイアスって聞いたことあるな。

そっち方向に偏向するってこと。

 

ああ、そういうことか。偏見みたいなものか。

うん、そんな感じ。じゃあ、話を変えて、税務上の所得のほうは、誰が計算してる?

 

会計上の利益は、会社の中の経理部門だったよね。同じじゃない?

そうだね。税務上の所得も会社が計算してる。経理部門の人たちだね。それをサポートしてるのが税理士の人たち。

 

ああ、そういうことか。税理士って、そういう仕事なのか。

つまらなそう?

 

わはは。まあ、仕事はだいたい楽しくはないからね。

(笑) それはそれとして、税務上の所得って、大きくしたい? それとも、小さくしたい?

 

大きかったら、税金がいっぱいかかるんだよね。それなら、小さいほうがいい。

そうだね。会社としては、できるだけ課税所得を小さく計算したい。だけど、だれかがそれをチェックしてる。

 

わはは。また監査の人? 大変じゃん。

いや。監査人というか、監査法人は所得計算自体を直接的にチェックするわけじゃない。少なくとも、「税金をもっと払え」とは言わない。

 

そうなのか。でも、ちゃんと計算してなかったら困るよね?

誰が困る?

 

国とか県とか市とか。税金をもらうところ。

正しい(笑) だから、課税所得計算は、国とかが主体になってチェックする。それを「調査」とか「税務調査」って呼ぶ。チェックするのは、国税局とか税務署の人。

 

ああ、そうや。この前、税務署の人が学校に来た!

つまらなそうだったでしょ?

 

わはは。何か昔の人みたいだった。でも、税金のこと、教えてくれたし、優しかったよ。

それは、それは。お疲れ様でした。でも、国税局とか税務署の人は、できるだけ課税所得を大きくしようとする。そっちのほうが税収が増えるからね。だから、税務調査に来て、「もっと所得は大きいはず」と言ってくる。つまり、税務上の所得は、大きくなるほうにバイアスがかかる

 

ああ、そういうことか。

だから、利益と所得は、本質的に別物ってこと。細かな計算自体がどうかは別にして、根本理念として違うってことだね。

 

うん。よくわかった。

じゃあ、これを前提に、次回はもうちょっと細かな話をしよう。

 

はーい。

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