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第158回 製品保証引当金から引当金の要件を考える

第158回も、前回に引き続き、トヨタ(トヨタ自動車株式会社)の個別財務諸表を見ています。今回は、製品保証引当金を例に、わりとしっかりと、引当金というものの内容を議論します。

前回は、製品保証引当金の話をしてて、家電製品の例で、「製品保証」のイメージを話した。メーカーがその製品がちゃんと動くことを保証してるから、逆にちゃんと動かなければ、一定期間内はメーカーの負担で修理するってこと。

 
 

そこはわかるんだけどなあ。

で、メーカーの側からすると、問題のあった製品を引き取って修理するのにはコストがかかる。つまり、製品保証をしていることで、この事業年度末までに売った製品から、次の事業年度以降にそういう修理のためのコスト負担が生じるかもしれない、ってことだね。これも大丈夫?

 
 

うん。それもわかるんだけど。

じゃあ、「製品保証」はいいとして、「製品保証引当金」ってどういうものだと思う?

 
 

あのさー、貸倒引当金って、「返ってこない部分」だったじゃん?

そうだね。貸付金とか、売掛金とか、そういうもののうち、回収不能見込み額の部分だね。貸倒損失が発生しそうな部分というか。

 
 

ああ、そうか。じゃあ、この場合は修理のコストの部分が…

じゃあ、前回ちょっと話したけど、賞与引当金はどう? 何のために賞与引当金を設定した?

 
 

そうだ。えーっと…

賞与引当金は、次の事業年度に払うボーナスの一部だよね。この事業年度内に従業員の人たちが働いてくれた分だけを期間割とかで計上するイメージ。

 
 

それはそうだ。

だから、「引当金」というのは、将来の費用とか損失とかに備えるためのものだよね。でも、原因はこの事業年度内に発生している。例えば、事業年度内に貸付先とか得意先の財務状態が悪くなっていたり、事業年度内に従業員の人たちが頑張って働いてくれたり。だから、将来、貸倒損失が発生したり、賞与を支払ったり、ということが起きる。

 
 

じゃあ、この事業年度内に不良品が出たってこと? いや、その原因がこの事業年度内に発生したってことか。

「その原因がこの事業年度内に発生した」というほうが正しい。要は製品を売ったってことだよね。確率的にその中の一部には欠陥のある製品があるはず。だから、事業年度内に、そういう欠陥のある製品を売ったことが、将来の修理コスト負担の原因だろうね。

 
 
 

ああ、そう考えるのか。

原因は事業年度内に発生していて、将来の支出が見込まれるなら、引当金を計上しておかないといけない。実際には、その発生の可能性が高くて、金額もちゃんと見積もれるときしか計上しないけどね。

 
 

そうか… 不良品が出るのが原因かと思った。

製品を売った事業年度内に不良品が出れば、その事業年度内で支出があるから、別に引当金はいらないよね?

 
 

そうか。修理とかがいっぱいあるけど、まだ修理が終わってなくて、コスト負担していないやつかと思った。

ああ、もう故障したのはわかってるけど、まだコスト負担していないものってことか。それも引当金に含まれるとは思う。でも、これは主に確率の話。売上が100万円で、製品保証で修理するコストが5万円なら、だいたい売上の5%くらいの修理コストが発生するってこと。こういう実績から、将来を予測する。

 
 

ああ。じゃあ、最初のほうは予測できないよね?

一つ一つの製品はそうだろうね。でも同じような製品グループはあるだろうし、企業としてはその他の実績値は持ってるはず。だから、「まあ、だいたい5%くらいだろう」と思ったら、今期の売上に5%を掛けた分だけ、製品保証引当金として計上しておけばいい

 
 

そうだね。わかった。

もちろん、さっき話したように、売った事業年度内にすでに修理のコストが発生しているなら、その分は引当金として計上しなくていいけどね。支出済みだから。

 
 

そりゃそうだよね。

(笑) あとは、実際に修理するときは、引当金を減らしてお金とかを支払うだから、将来の事業年度で、実際に修理をしたときには、費用は計上されない。

 
 

うん。貸借対照表の両側が減るだけだよね。

正解。左側でお金とかの資産が減って、右側で製品保証引当金が減るだけ。だから、利益剰余金は動かない。ということは、費用も計上されていないってこと。

 
 

ああ、リンクしてるもんね。

ちょっと難しかったけど、これが「引当金」のイメージ。修理するのは今じゃないから、将来の費用とか損失。だけど、その原因はもう発生している。確率的に考えると、事業年度内に欠陥のある製品を売ってるはずだからね。で、発生の可能性が高いから、それに備えて負債として引当金を計上しておく。今までの修理の実績から、金額もだいたい見積もれるしね。

 
 

わかりやすい! これは覚えとく。

そうしてください。実生活ではほとんど使わない知識だけど。

 
 

まあ、覚えといて損はないよ。

(笑) じゃあ、今回はここまで。

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