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第121回 減損の判定で割引前キャッシュ・フローを使うのは絶対に変だよ

第121回は、減損損失を認識するかどうかの判定に際して、帳簿価額と比較する将来キャッシュ・フローの総額として、なぜ割引前の数値を使うのか(割引後の数値を使わないのか)を議論します。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん。

こども君:小学5年生。 特徴としては、好奇心が強く、語彙は多いほうで、数字を扱うのは得意。ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手だけど、最近は少し落ち着いた。阪神タイガースとFF3のたまねぎ剣士をこよなく愛する普通の男の子。

前回は、割引現在価値の計算をしたよね。でも、減損損失を計上するかどうかの判断に使うのは、割引「前」のキャッシュ・フローだった。

 
 

うん、そうだった。それが変だと思った。割引前なら1億円だったけど、現在価値で見たら、6,000万円ちょっとしかなかった。だから、本当は1億円回収できないのに、減損損失を認識しなくていいって言ってた。

そうだね。ケーキ屋さんが持っている事業用の固定資産の帳簿価額が1億円だと仮定してたよね。会計基準というルールでは、割引前のキャッシュ・フロー合計と比べることになってるから、減損損失は認識しなくていい。一応こんな計算だったよね。

 
 
 

うん、数字は覚えてるよ。でも、現在価値と比べるのが正しいのに、割引前のキャッシュ・フローと比べるってルールなんだよね? 何でそんなことするの?

 
 
 
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手厳しいね。そういうのはきっと気持ち悪いんだよね。それはわかる。でも、問題は、将来のキャッシュ・フローは確実に見積もれるものじゃないってこと。

 
 

それはわかるよ。でも、それがどう関係するの?

うーん、これはお父さんの考えたことじゃないんだけど、「割引前のキャッシュ・フローで見ても、帳簿価額を回収できないレベルなら、まず固定資産は減損してるはず」って考え方だと思う。たぶん会計基準を作った人も本当はキャッシュ・フローの現在価値と比べるのが正しいのはわかってるよ。

 
 

何で割引後が正しいって分かってるのに、割引前と比べるの?

例えば、割引後で9,900万円なら、簡単に言うと、減損損失は100万円になるよね? でも、9,900万円のもとになった将来キャッシュ・フローはそんなに確実なものじゃない。だって、ケーキ屋さんが将来20年間のキャッシュ・フローを見積もっただけだからね。

 
 

そうか、そんなに先のことはわからないか。

そうだね。だから、その状況だと、「確実に減損してる」とは言えない。でも、割引前のキャッシュ・フロー合計で1億円を割るくらいなら、割引現在価値で見れば、まず間違いなく減損してる。だから、「確実に減損しているかどうか」を判断するために、割引前のキャッシュ・フローと比較させるんだろうね。

 
 

そういうことか。わかった。ありがと。

 
 
 
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こんな話までするとは思わなかったけど、理解してくれたならよかった。ちょっと思い出してほしいんだけど、そもそもの話として、普通の事業に使う固定資産って、値上がりを期待して持ってるわけじゃないよね?

 
 

うん。ケーキ屋さんは、そこでケーキを売りたいから、土地とか建物を持ってる。

そうだね。だから、ケーキ屋さんにとっては、お店を続ける限り、その土地や建物の値段は重要じゃない。その意味で、事業用の固定資産は、値上がりを期待する株式投資みたいなものとは違う。

 
 
 

うん、そういう話を前にしたよね。

ちゃんと覚えててえらいね。だから、事業用の固定資産は基本的に買った値段で帳簿に載せておいて、決まったスケジュールで減価償却していくだけ。

 
 

そうだよね。他に何かやり方があるの?

また今度話すけど、株式投資みたいなものは、株価を見て、最新の株価で評価する。「いくらで買ったか」じゃなくて、「今いくらか」で評価するってこと。

 
 

へぇー、そんなことするんだ。

でも、事業用の固定資産はそうじゃない。減損とかを考える局面では、割引現在価値みたいなものは計算するけど、毎期それで評価するわけじゃなくて、会計の世界では、あくまでも「いくらで買ったか」が大事。

 
 

うん、よくわかった。

よかった。じゃあ、今回はここまで。

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