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第113回 評価損は計上されるけど、評価益は計上されない

第113回は、前回に続いて、保守主義の話をします。「評価損は計上するけど、評価益は計上しない」という、会計の基本的なルールはうまく伝わるでしょうか。

前回は、「評価益を計上されると、誰が困るか」という話をしてた。で、こども君は「株主が困るの?」って聞いたけど、そうじゃないよね。

 
 

うん、その話は覚えてる。

会社にお金を出している人は、株主の他に誰がいた? 会社はどこから資金調達してた?

 
 

銀行からも資金調達してた!

そうだね。そういう銀行みたいな債権者が困るよね。本当は出ていない利益をもとに、株主に配当を払ってしまったら、その分だけ会社のお金が減る。そうすると、貸したものを返してもらえなくなるかもしれない。だから、そうならないように、評価益はあんまり計上しないことになってる。

 
 

ああ、そういうことか。確かに先に評価損を出すのは構わないもんね。評価損が計上されたら、その分だけ配当できる金額が減るから。

そのとおり。

 
 

いったん評価損を計上して、それが消えるのも別に構わないよね。

うん。会社にとっていいことだし、債権者も何も文句はないだろうね。

 
 

よくわかった。

だから、棚卸資産に限らず、「評価損は計上するけど、評価益は計上しない」というのが、会計の基本的なルールだね。

 
 

じゃあ、ただ「評価益」という言葉があるだけなんだね。

 
 
 
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うん。ちょっと複雑な話になるけど、決算日に取得原価100円の商品の正味売却価額が80円になった。じゃあ、この商品は80円で評価するよね?

 
 

そうだよね。

で、この商品はまだ売れなくて、次の決算日にも残ってた。でも、ちょっと売値が回復してて、正味売却価額は90円だった。このときってどうする?

 
 

貸借対照表とか損益計算書でどうするかってこと?

そう。評価益が計上されるかもしれないよね。

 
 

じゃあ、評価益ってあるんじゃないの?

いや、その話をする前に、まず質問に答えて。取得原価は100円だけど、もう評価を80円まで下げてるよね? ということは、2回目の決算日のときには、正味売却価額の90円のほうがそれよりも高い。

 
 

貸借対照表の左側で、棚卸資産が80円から90円に増えるの?

答えとしては、増やしても増やさなくてもいい。増やさないのは、「切放し法(きりはなしほう)」と呼ぶけど、80円に評価を下げるときに、もう80円ということで切り放してしまう。だから、その後正味売却価額が90円になっても、80円より大きいから何もしない。「取得原価100円 対 正味売却価額120円」の関係と同じだね。

 
 
 

ああ、そうだね。

 
 
 
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もう1つは「洗替え法(あらいがえほう)」という考え方で、決算日ごとに評価し直す。だから、前の決算日では80円だったけど、次の決算日では90円になったりもする。

 
 

何か、洗替え法のほうがわかりやすいや。

そうだね。そっちのほうがよく使うと思う。処理もラクだしね。でも、正味売却価額が90円になったら、前の決算日の80円よりも大きいから、利益が計上されるけど、それは「評価益」とはちょっと違う

 
 

え?

細かいけど、「評価損の戻入れ」なんだよね。100円が80円になったときに、20円の評価損が計上された。でも、そのうちの10円だけ戻し入れたってこと。評価が100円を超えて初めて、評価益になるイメージかな。

 
 

じゃあ、評価益を計上しないってことは、売るときに利益を出すってことだよね?

そのとおり。それだったら、債権者もOKだよね。ちゃんとその値段で売れてるし。

 
 

うん、わかる。

もう使わないけど、昔はそういうのを「実現」って呼んでたんだよね。

 
 

実現って知ってるよ。

え?

 
 

あ、そのことを実現というのは知らなかったけど、「実現」という言葉自体は知ってるし、売れたときに利益が出るのを「実現」と呼ぶのもわかる。

そうか。それはよかった。「実現」とか「未実現」とかは、会計をやっている人はよく使う言葉だから、覚えておいて損はないと思うよ。

 
 

はい。

じゃあ、今回はここまで。次回は、このお話の続き。同じような話で、評価損と売却損の関係を考えてみよう。

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