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第197回 投資案件のCF見積りは、家を買うかどうかの判断にも使える

第197回は、NPVやIRRを計算する際の前提となるCFの見積りについて話します。身近な話題として、家を買うときのCFについて考えます。といっても、小学6年生には身近な話題ではないですが。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

ここまで、投資判断基準ということで、NPVとかIRRを見てきた。おまけの投資回収期間も。だいたいわかったかな?

 

うん!

じゃあ、これでCFさえ分かってたら、IRRとかNPVを計算できるよね?

 

エクセルを貸してくれたらね。

(笑) 次は、どうやってCFを見積もるかの話。そもそも割引計算する対象は将来CF。NPVやIRRの考え方が分かっていても、将来CFが見積もれていなければ、判断のしようがないからね。じゃあ、ちょっと投資の話から離れて、普通の話をしようか。「家を買うかどうか」という意思決定の話。

 

それはさー、普通に家の使いやすさと値段を考えるよね?

(笑) あくまでも投資判断の話だよ。家を買うというのは、ある意味で投資だよね。

 

家を買うのが初期投資ってことね。それで利益…

利益って何? 初期投資以外にどういうCFを想定した?

 

ああ、そうか。え? 何だ?

何のCFも期待できないのに投資するの? 家を買ってる人はバカなの?

 

わはは。だってさー、家がなかったら生活できないじゃん。

それはそうだよね。じゃあ、家を買うことで得られるCFを考える前に、家を買わない場合に必要なCFを…

 

あ! わかった! 賃料! 賃料! 借りるってことか。何だよ。

そのとおり。持ち家がない場合、家賃が必要だよね。ということは、逆に家を買えば、家賃の分のCFが浮く

 

それが、この投資案件で回収できるCFなのか。

うん、その考え方でいい。「家を買う」という意思決定について、「家を買わなかったとき」と比較してCFが動く場合、実際にはお金の出入りがなくても、それをCFと考えるべき。感覚として、これはわかるかな?

 

わかる! 家賃が入ってくるわけじゃないけど、自分の家があれば家賃を払わなくて済むから、その分をCFと考えるわけだよね。

うん。キャッシュ・インフローだね。だから、「家を買うべきかどうか」の判断には、少なくともその地域の不動産の価格と賃料水準の両方を考えないといけない

 

どれくらいそこに住むかも考えないといけないよね?

そのとおり。CFの回収期間がわからないと、初期投資額を回収できるかどうかはわからないからね。もう1つ、大きな要素って何かな? 今考えてるのは、家を買うときの初期投資額。それと、それにより支払いが不要になる賃料、つまり、月々というか年々の投資回収額だね。それ以外に考慮すべきCFはあるかな?

 

減価償却かな?

鋭いね。それはちょっと難しいけど、会社ならそうなる。減価償却費が損金算入されるから、それによって税金を節約できる。だから、その節約した税金もCFとしてカウントすべき。だけど、今はそこまで話すつもりはなかった(笑)

 

ごめんなさい。

いや、いや。いいんだよ。家を買うとき、建物部分は償却されて費用になっていくイメージはすごく大事。土地は減価償却されないけどね。

 

ありがと! でも、他にもう1つ考えないといけないことがあるんだよね。

うん。投資回収期間の最後を考えてみて。家を買うときの初期投資額を考えてるから、家を持っている状態だよね。最後、そこに住まなくなったら、家はどうする?

 

ああ、家を売るのか。

そうだね。家を売却することによるキャッシュ・インフローがあるよね。

 

そうか。そうやって考えるのか。

だから、だいたいこんな感じのCFの組み合わせになるかな。数字は適当だけど。

 

わかった! 30年後に売るってことでしょ?

そういう想定だね。だから、その地域の不動産価格と賃料水準を考えるというのは、初期投資額と年々のCF回収額の話。あとは、30年後の不動産価格も考えておかないといけない。

 

ああ、そうなるのか。それが30年後のキャッシュ・インフローになるからね。

そう、そう。だから、まずは地盤のいいところに家を買ったほうがいい。30年経つ前に住めなくなったりするとマズいからね。あとは、30年後でも需要が見込めそうかは考えたほうがいい。例えば、駅に近くて、その駅が地域の中心になるような駅なら、まあ安心だろうね。その分、価格は…

 

高いけどね。

(笑) そういうバランスを考えて投資すべきってことかな。もちろん、会社なら、こども君が言ってた減価償却費の節税効果も加味すべきだけどね。あとは、資金調達だけど、「住宅ローン」って知ってるかな?

 

え? 聞いたことはあるけど。ローン…

Loanは貸付とか借入っていう意味。家を買うときは、銀行からお金を借りて買うことが多い。自己資金だけだと足りないからね。

 

そういうことか。どうぶつの森にもあった!

まあ、人間も動物だからね。

 

そういう話じゃないよ。話が逸れちゃった。

話を戻すと、CFで見れば、まず銀行からの借入がある。これは上の表では考慮していないけど、実際には考えないといけない。まあ、金利をハードル・レートと考えてもいいけど。いずれにせよ、そのキャッシュ・インフローで初期投資をする。つまり、家を買う。そうすると、家賃が浮く。だから、働いて得たお金が残る。

 

そうだね。それでローンを返済する!

正解。個人のバランスで見れば、資産サイドに家を持ってる。でも、負債サイドには借入金がある。そういう状況だから、不動産価格が上がったら、嬉しい。金利が上がったら…

 

悲しい。

(笑) 変動金利ならね。だから、そういう色々なことを考えて投資すべき。基本は、CFを見積もって、割引現在価値を考える。金額を比較するときは、必ず時点を揃える。家を3,000で買って、2,000で売るとしても、そのコストは1,000じゃない。引き算はできない。

 

それはわかるよ。でも、それ以外にも家賃とかを考えないといけないよね。

家賃の現在価値だね。だいたいわかったかな?

 

うん!

これは車を買うかどうか考えるときも一緒だよ。確率の問題も入ってくるけど、保険なんかもCFを見積もってね。

 

はーい! よく考えて買うようにするよ。

じゃあ、今回はここまで。

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