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第196回 ROIや投資回収期間で投資判断をすることの問題点

第196回は、NPVやIRRの理解を前提に、その他の投資判断基準について考えます。具体的には、ROIや投資回収期間のことを話してみたいと思います。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

前回までで、一応、NPVとIRRの説明はした。

 

うん。だいたいわかったよ。

じゃあ、ちょっと昔の話に戻るけど、改めてROI(投資利益率)というものを考えてみようか。ずっと見てきたこの投資案件って、ROIは何%かな?

 

どうやって計算するの?

式は決まってない(笑) じゃあ、「利益÷投資」ならどう?

 

利益が1,500だから、150%!

正解。じゃあ、「年平均利益÷投資」ならどう?

 

ああ、1,500を3で割るだけでしょ? 500だから、50%でいいんじゃない?

正解。まあ、指標としては理解しやすいよね。

 

うん。そうだね。

でも、このROIって指標、1つ大きな問題があるよね。

 

現在価値が…何て言うんだろう。現在価値が…

現在価値「を考慮していない」ということかな?

 

ああ、そういう言い方か。そう、そう。

1年後の500と3年後の500は価値が違うのに、同じように扱ってるよね。これは変だよね。

 

うん、そういうこと。現在価値にしたら、だいぶ違ったもんね。

そうだね。割引率にもよるけどね。もう1つ、投資回収期間という考え方もある。この投資案件、何年で初期投資を回収できる?

 

2年!

正解。これは長いほうがいい? それとも、…

 

短いほうがいいに決まってるじゃん。早くお金が返ってくるんだから。

そのとおり。だから、投資判断基準として、投資回収期間という考え方を使うことはよくある

 

ああ、すごく回収が遅かったら意味ないもんね。

そうだね。やっぱり、お仕事をしているときの感覚として、「初期投資をちゃんと回収できるか」、しかも、「一定期間内に回収できるか」というのは大事なんだろうね。だから、わりと直感的にしっくりくる指標なんだと思う。

 

それはわかる!

じゃあ、この投資回収期間で投資判断をすることの問題は?

 

何か抜けてる? ああ、また現在価値の話か。

そうだね。初期投資は現在のCF、それと将来回収予定のCFは比較できないよね。

 

そうだ、そうだ。時点を揃えないといけないんだ。2年後に1,000回収できたと思っても、実際には価値が下がっちゃってるんだ。

うん。その考え方でもいいけど、実際には投資した1,000の価値が上がってると考えるほうが自然かな。

 

ああ、そっち向きね。

(笑) そうだね。資本コストが10%として、1年後には「投資額の1,000は1,100に増えていないといけない。だから、1,000の回収では足りない」みたいに考えるほうがいいだろうね。

 

わかった! 回収するときには、自分は将来にいるんだもんね。

そういうこと。投資回収期間で投資判断をすることには、もう1つ、大きな問題がある。どういう問題かな?

 

えーっと、「すぐ回収できるけど、利益は出ない」ということがある!

だいたい正解。投資回収期間は、初期投資回収「後」のCFや利益を無視しているよね。この投資案件は、2年で投資回収できるけど、3年後も500のCFが入ってくる。投資回収期間だと、3年後のCFがゼロでも同じだよね。

 

そうか。投資回収期間は同じになるよね。

うん。だから、投資回収期間は投資判断をするときにメインの指標としてはあまり使えない。メインはあくまでもIRRかNPV。ただ、IRRとかNPVとかは結構複雑な計算をするから…

 

うん、うん。

だから、結果を直感的に理解するのが難しいことがある。そのときに、投資回収期間を確認して、それが自社の基準に合致しているかチェックするのは意味がある。言い方が難しいけど、「主」じゃなくて「副」って感じかな。

 

うん。投資回収期間だけで決めるのはダメだけど、投資回収期間は短いほうがいいから、確認したほうがいいと思う!

お父さんはよく「リアリティ・チェック」って呼んでるけど、複雑なモデルで計算をしたときに、出てきた結果が現実離れしていないかは、別の指標を使って考えたほうがいい。じゃないと、モデルの世界の中では正しいけど、それが現実世界と乖離してしまってることがある。

 

「乖離」って、「離れてる」ってこと。

うん。そういう感じ。「理論が正しいか」とか「計算が正しいか」は1つのポイントだけど、「結果が現実と乖離してないか」は常にチェックしたほうがいい。じゃあ、これで投資判断の基準はこれでいいよね? 何か質問ある?

 

こういうときって、何か質問しないといけないんだよね?

(笑) 別に理解できてたらいいよ。

 

じゃあ、いいです。

了解(笑) 今回はここまで。

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