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第189回 WACCを基礎として、改めてハードル・レートについて考える

第189回は、資金調達のほうのWACCの水準をもとに、投資のほうの利回りを考えていきます。端的には、WACCを基礎として、ハードル・レートを設定するという話です。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

前回のROAの問題は、分子が税引前の数値だってことだったよね。

 

うん。税引後にしないと変だと思う。

税金は特別なもののように思うかもしれないけど、単なるコストだからね。どこまで厳密に考えるかだけど、税金が1つのコストだとしたら、そのコストを引かない利益は使いづらいよね。

 

だから、分子が税引後の指標を使うんだよね。ROICとか言ってたっけ?

そうだね。

 

ここまでは完璧に理解した。

(笑) じゃあ、ちょっと話を変えるけど、WACCに戻る。加重平均資本コストだね。

 

了解。ROICみたいな投資側の話から、WACCの調達側の話に変わるってことだね。

そう、そう。人と話すときは、そういうふうに頭を整理して、それを話し相手と共有することが大事。話を戻すと、WACCって、常に動いてるよね。負債コストには金利も入ってるし…

 

そうだね。金利は動くからね。あと、株主資本コストもそうだよね?

うん。CAPMだとリスクフリー・レートは入ってるし、株式市場も参照するしね。だけど、会社にとって、資本コストというのは大事な数字だから、社内的に「これくらい」という水準を決めておくことが多い。毎日動いたら困るし、そこまで厳密に計算できるものでもないからね。

 

うん。CAPMもいい加減な計算だったよね。

それは否定できない(笑) 前提として、会社は、投資をするときに、資本コスト以上の利回りを上げないといけない。仮にその会社のWACCが6%だとすると、それがその会社の資金調達コストってこと。だから、投資利回りとしては、最低限6%を超えていないといけない。

 

わかるよ。

じゃあ、会社は、既存の事業で新しい投資をするときには、6%という資本コストを前提に、例えば、「8%以上の投資利回りがある案件しか投資しない」みたいなルールを作る。

 

え? 何で6%じゃないの?

調達コストよりも稼がないと、利益は出ないよね? だから、6%ちょうどを基準にするんじゃなくて、それよりも少し上で設定する。しかも、今は低金利でWACCが低すぎたりするから、ちょっと上に設定しておいたほうがいいって感じもある。ちなみに、こういうのを…

 

ハードル・レート

正解。そう呼ぶね。だから、新しい投資の案件があったら、まずは利益というかキャッシュ・フローを見積もる。で、利回りを計算して、8%以上になるかどうかを考える。つまり、8%が超えるべきハードルになるってことだね。

 

うん、うん。6%の投資利回りなら、調達してもしなくても同じだもんね。

大まかな考え方としてはそのとおりかもね。ハードル・レートの使い方だけど、会社には1つだけじゃなくて、いっぱいの投資案件があるよね。そのときに、「この案件には投資するけど、あの案件には投資しない」という判断をするためには、一定の基準が必要で、それがハードル・レートの役割

 

わかった!

で、そのハードル・レートのベースになるのがWACC。だから、ハードル・レートを超える利回りの投資を続けていたら、株主も債権者も満足すると言っていいよね。

 

あのさー、前はさー、設備投資をするかしないか決めるときに、金利がハードル・レートになるって言ってたじゃん。あれって間違ってるの?

うん。正しくない。仮にその投資は全部負債で調達したとしても…

 

会社には株主がいるからね。だから、負債コストだけじゃなくて、株主資本コストも考えないといけない。

正解。だから、基本はその加重平均、つまり、WACCがベースになるってことだね。その投資をすべて負債で賄うからといって、金利をハードル・レートにすると、判断を誤るかもね。

 

じゃあ、前のやつ、直さないといけないじゃん。負債コストより株主資本コストのほうが高いからさー、「金利分は稼げるからいいや」って投資したら、間違っちゃうよ。

もういいんじゃない? こども君も、4年生だから間違ったんでしょ。普通の6年生はちゃんとWACCを使うよね。そもそも、あのブログを見て設備投資の意思決定をする人がいたら、それはちょっと怖い。

 

わはは。直すのめんどくさいんでしょ?

うん。めんどくさいね。でも、真面目な話をすると、ハードル・レートの概念を説明するときに、いきなりWACCの話とかしてもダメだよね。まずは、貸借対照表とか、会計のことをある程度説明して、それがある程度わかった段階で、こういうファイナンスの話に切り替えたほうがわかりやすいってこと。

 

そういう順番を考えてくれてるのか。

まあね。わざわざ付き合ってもらってるし。

 

えへへ。

じゃあ、今回はここまでにしょうか。

 

あ、そういえばさー、ROEのこと、聞き忘れた。前にROAとかの話をしてるときに、ROEのことも聞こうと思ってたんだった。

じゃあ、それは次回ね。

 

はーい!

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