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第188回 なぜ損益計算書には税引後営業利益(NOPAT)が出ていないのか

第188回は、資本コストであるWACCに対応させるべき資産利回りを考える上で、税引後営業利益(NOPAT)について考えたいと思います。ついでに、ROICの話も少しだけ。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

前回は、「ROAとWACCを比べてもいいかどうか」を考えた。

 

うん。でも、ROAの分子に税金が入ってない?入ってる?あれ?

ROAの分子は、税引前の数値ってことだね。だから、WACCを比べるにはちょっと過大になってる。

 

じゃあ、ROAの分子からは、税金が引かれてないって考えればいいね。

そのとおり。

 

何で税金を引かないの?

損益計算書の構造の問題だろうね。税金費用って、損益計算書の一番下で引かれるよね?

 

うん、そうなってる。

営業利益はもっと上だよね。実際には、税引後の営業利益って、結構重要な指標だったりするけど。NOPAT(Net Operating Profit after Tax)みたいな名前も付いてるし。だから、そういうのを計算することはよくある。でも、そもそも税金費用って、どの段階利益と一番対応してる?

 

対応って?

どの段階利益に実効税率を掛けたら、税金費用に近くなる?

 

そりゃ、税引前利益でしょ。

正解。もちろん、利益と課税所得は異なるから、税引前利益に実効税率を掛けても、それが税金費用になるわけじゃない。でも、概念的には、税金費用以外のすべての損益を反映した利益、つまり、税引前利益に税率を掛けるべきだよね?

 

うん、うん。前にそういう話をしたよね。

そうだね。だから、損益計算書の形としては、税引前利益の下に税金費用を置くのが一番わかりやすい。税引前利益が100で、税金費用が30だったら見やすいってこと。

 

ああ、そういうことか。営業利益の下に税金費用を置いたら…

その下の営業外収益にも税金がかかるからね。また別に税金費用を出さないといけない。営業利益とか営業外収益に税金費用を対応させて、逆に営業外費用にはマイナスの税金費用を対応させるみたいにしたら、一応は形になるけどね。

 

でも、そんなのは見にくいよね。

うん。だから、いったんは税金費用を無視して、税引前利益を計算する。そして、その下に税金費用を置いてる。それは損益計算書の作り方の話。でも、投資の効果を見るときに大事なのは、税引後の営業利益。だから、自分でそれを計算すればいいってこと。例えば、営業利益が50なら…

 

税率何%にする?

(笑) じゃあ、30%にしようか。

 

35!

税引後の営業利益を計算したんだね。それがNOPAT。そんな感じの計算方法でいいよ。あとはそれを投資額で割ればいいよね。

 

それをWACCと比べる。

そのとおり。そうやって計算するのは、ROIとか呼んだりする。

 

前にも聞いた。

うん。Return on Investmentの略で、日本語だと「投資利益率」だね。あとはROICとかもある。

 

ROICのほうは何の略?

Return on Invested Capital。無理やり訳すなら、「投下資本利益率」かな。分子はだいたい税引後営業利益。

 

ふぅーん。

Capitalって…

 

資本! もう何回も言ったじゃん。

そうですね。すみません。WACCは資本のコスト。ROICは逆にその資本をもとに…

 

投資した結果のリターンか。だから、その2つを比べればいいんだね。

そのとおり。ROIやROICに正確な定義があるわけじゃないから、「概念的にWACCと対応してるかどうか」ってことだね。大事なのは、税金費用を引くことかな。

 

わかった!

じゃあ、今回はここまで。

 

はーい。

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