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第187回 ROAとWACCを比較すると、いったい何が問題なのか

第187回は、資本コストと比較すべき、投資利回りについて考えます。といっても、まだ現在価値計算までは行かず、とりあえずROAのような指標との比較で考えていきたいと思います。

お父さん:公認会計士。実際は、このイラストよりも、だいぶおじさん(本物はこちら)。

こども君:小学6年生。体育と休み時間を過ごすために小学校に通い、阪神タイガースをこよなく愛する普通の男の子。好奇心が強く、数字を扱うのは得意。ただ、ペラペラ喋って、人の話を黙って聞くのは苦手。スポーツ大好き、RPG大好き、三国志やキングダムも大好き。

前回はWACCの意味を再確認して、それが会社にとっての資本コストになるという話をした。

 

うん。だから、会社は投資をして、それを上回る利回りをあげないといけない

そうだね。今回はそういう話。じゃあ、仮にWACCを6%としようか。

 

いいよ。

じゃあ、投資のほうの利回りってどうやって計算する?

 

え? どういうこと?

普通は利益って損益計算書に出るけど、「額」として出るよね? それをどうやって…

 

「率」に直すかってことか。何で「率」にするんだっけ?

WACCが率だからだね。「率vs.率」じゃないと比べられないよね?

 

ああ、そういうことか。じゃあさー、WACCが6%なら、投資利回りが6%を超えてないといけないってことだよね。

そういうことになるね。事前に判断して、投資利回りが6%を超えそうなら、その投資を実行するんだろうね。事前でも事後でもいいけど…

 

「事後」って何?

「事前」の反対。投資をした後、ってこと。

 

ああ、投資の後ね。

うん。投資の前でも後でもいいけど、いったんリターンは「額」として把握する。利益の「額」というイメージかな。だからそれを「率」に直すときには、何かで割らないといけない。

 

そういうことね。じゃあ、調達した額!

調達して…

 

投資! 投資した額!

正解。投資により生まれる利益の「額」を投資の「額」で割ると、利回りが計算できるよね。とりあえずは、利益が1年分だけという簡単な設定で考えよう。

 

投資って、貸借対照表の左側でしょ? じゃあ、利益の額を資産の額で割り算すればいいってこと?

うん。概念的にはそのとおり。新しい工場を作って、そこで製品を作れば、投資の額は有形固定資産とか棚卸資産として表れてくるよね。製品が売れれば利益が計上されるから、その利益を投資額で割れば、それが1年分だけを見たときの投資利回りだね。

 

わかる、わかる。

じゃあ、個別の投資じゃなくて、会社全体としての投資を考えて。過去に投資されたものも含めた総投資額というか。

 

いいよ。貸借対照表の左側の全体ってことでしょ?

そうだね。総資産ってことだね。じゃあ、それが1,000だとする。で、当期の利益が100だとしたら…

 

10%! 全体で見た投資利回りは10%だ。それとWACCを比べればいいのか。

全体として見て、ざっくりというとそんな感じだね。1,000の資金を調達して、その調達に係るコストは6%。で、調達した1,000の資金を全部投資して、投資による利益は100。つまり、投資利回りは10%。1年分だけだけどね。10%は6%を余裕で上回っているから、いいかなという感じ。

 

うん、うん。

まあ、この計算は実は正しくなくて、単なる発想だけだけどね。こんな感じで、率で比べたほうが分かりやすい。あとは、以前に話をしたかもしれないけど、ROAという指標がある。Return on Assetsの略で、「総資産利益率」という意味。利益の額を総資産の額で割って計算する。

 

ROEみたいなもの?

うん。同じようなものだね。総資産から生まれる利益の割合という意味では、ROAのほうがWACCと比べやすい面もあるかもね。実際には運転資本を外してROICのほうがいいんだけど、小学生だからそこまでは押さえなくていいよ。

 

何かややこしいなあ。でも、そもそもROAって、どういう計算式なの?

まず、分母は「総資産」。で、分子は「営業利益+受取利息・配当金」みたいに計算する。分子を経常利益で計算することもあるけどね。資産から出る利益だから、それと対応させないといけない。でも、このROAって、ほんとにWACCって比べられる?

 

その質問の仕方って、比べたらダメってことだよね?

(笑) そのとおり。営業利益とか経常利益って、どういうコストが反映されてない?

 

え? 経常利益の下って、特別損益と… あ!わかった! 税金! 税金が反映されてない!

正解。ROAの分子には、税金費用が反映されてない。だから、本当の利回りじゃない。

 

ああ、その利益から税金費用を引くってことか。

うん。

 

それってさー、負債コストの計算のときに節税効果を考えるのと同じ話

いいところに気が付いたね。そのとおりだよ。負債コストを考えるときには、税金を考慮した。節税効果の形でね。だから、投資利回りを計算するときにも、税金は考慮する。じゃないとバランスしないからね。じゃあ、ちょっと長くなってきたから、今回はここまで。

 

最近、いいところで終わるよね。

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